鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 先進治療科学専攻 外科学講座 消化器外科学
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特選コラム

自分の腕で人を治せるという魅力

自己紹介

 2023年度、入局しました成尾知紀と申します。卒後3年目です。 私は鹿児島で生まれ、鹿児島で育ちました。
ラ・サール高校を卒業し、鹿児島大学へ入学。大学在学中はバレーボール部に所属し、練習に明け暮れておりました。
大学卒業後は鹿児島市立病院で2年間研鑽を積みました。 


市立病院での同期です。素晴らしい仲間に恵まれ、楽しい研修医時代でした。



外科に決めた理由

 運動が好きだったため体力には少し自信があったことと、手技が好きだったため、学生の時からなんとなく外科系に興味がありました。
「手術で人を治したい」という思いは外科系の診療科の研修を終えるたびに強くなり、最終的には消化器外科と泌尿器科の2択でとても頭を悩ませていました。そんな中、最終的に当科への入局の決め手となったのは、一つのある出来事だったと思います。

 研修医1年目の2月、発熱・心窩部痛・頻回の嘔吐。心窩部痛はだんだんと右下腹部に移動。典型的な症状でした。
私は急性虫垂炎を発症したのです。画像検査で診断がついた時には、症状も若干軽快しており、勤務に復帰していた日だったので、医療用スクラブから患者服に着替えて、そのまま緊急手術となりました。その時の心情は、初めて手術を受けるものでしたから、もちろん不安はありましたが、興味のあった消化器外科の手術を実際に自分が受けることに面白さとワクワクした思いもありました。



左が今から手術を受ける私です。父と母も楽しそうなのは少し理解に苦しみます。




 手術が寝て目が覚めたら終わっていたと患者さんからよく聞いておりましたが本当でした。麻酔に抗うことはできるのだろうかと目を見開いて頑張りましたが、麻酔科の先生の技術と医学の発展には完敗でした。執刀は当時市立病院で勤務されていた永田先生にしていただきました。 さすがの腕前でした。
完璧な手術で、穿孔して膿瘍を作っていた私の汚い虫垂をきれいに取っていただきました。
術後から退院までは、実際に患者さんの体験をすることができ、大変勉強になりました。ドレーンが入っている違和感や術後の疼痛などは、研修のローテートだけでは絶対に学ぶことができない貴重な経験でありました。患者さんの立場になってみたことで、外科医への尊敬と憧れは間違いなく増しました。

 薬でもなく、機械でもなく、突き詰めたら結局は自分の腕前次第で患者さんの予後が左右されてしまう、とても責任重大な診療科です。
しかし、「人を治したい」という共通の思いがあって医学に携わろうと決断した皆さんなら共感できると思いますが、その自分の腕で人を治せるというのはこの上ない魅力ではないでしょうか。


左が研修医2年の私です。腹腔鏡下胆嚢摘出術の執刀中。前立ち(助手)をして下さっているのは、私の恩人永田先生です。自分の執刀医の先生と一緒に手術ができたのは感慨深いものでした。



 

 さて、私は現在手術が上手くなるために、左手に神経を通わすべく時間があるときは左手で食事をとり、歯を磨くなど心がけております。 このコラムも左手で書いたので拙い文章になってしまいましたが、この文章を読んで、これから当科で研修される学生、研修医の方々が外科医になることに少しでも魅力を感じていただけたら幸いです。




鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 先進治療科学専攻 外科学講座 消化器外科学

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