鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 先進治療科学専攻 外科学講座 消化器外科学
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ゲカイチ

Vol.56

ー 外科医のQOL ー






 昨晩から降り続く雨が、カンファレンスルームの窓をリズム良く叩く。
その心地よい雨音がさらに眠気を倍増させる。

 昼から始まったカンファレンスがひと段落し、医局に戻ろうとしていた時、
今年の4月に入局されたばかりで、 もうすでに看護師の皆さんからの人気を集めている
“ヨカニセ(鹿児島弁でイケメン)”の福山先生に声をかけられた。




 

桐野

桐野くん、おつかれさま。






 
桐野

おつかれさまです。







桐野

カンファ中、眠そうだったね(笑)







桐野

バレてました!!







桐野

ははははは(笑)







桐野

半田先生にはナイショですよ!







桐野

大丈夫、大丈夫(笑)







桐野

ありがとうございます! もうすっかりゲカイチに馴染まれてますね!







桐野

そうかな?
まぁ、馴染むも何も、まだまだ覚えることだらけで…。
あっという間に一日が過ぎていくよ。







桐野

それじゃ、ちょっとおつかれモードですか。







桐野

わかる?


桐野

毎日が充実しているから、すごく楽しいんだけどね。







桐野

福山先生って、お休みの日は何してるんですか?







桐野

…んー?
昔は野球観戦とか友達と集まって麻雀とかしてたけど、
最近は家でレポート書いたり資料を読んだりすることが多いかな。







桐野

勤務医は忙しいっていうのは覚悟していたけど、
さすがに昼まで寝てた!なんてことはなくなったかな。








 

 そんな話をしながらカンファレンスルームを出ようとした時、
ちょうど近くにいた、大蔵先生と有下先生に声をかけられた。







 

桐野

福山先生!
どう?ゲカイチは慣れた?







桐野

はい!
でも、まだまだ覚えなくちゃいけないことがありすぎて…


桐野

毎日、先生方に助けていただいていますよ。







桐野

まだ入局したばかりなんだから、あまり無理をしすぎないようにね!







桐野

ありがとうございます!







桐野

ところで、二人で楽しそうに何を話してたの?






 
桐野

休日の過ごし方をお聞きしてたんですよ。






桐野

そうなんだ。





 
桐野

外科医は体力勝負だから。しっかり休むことも大切だよ。


桐野

そうそう!ゲカイチも以前に比べれば、効率よく時間を使えるようになってきているからね。





 
桐野

そうなんですか?







桐野

以前は、主治医にすべての内容の指示を依存していたから、
時間外でも休日でも主治医にコールが来ていたんだよ。
夜中も休日も若手の先生たちはPHSやポケットベルがしょっちゅう鳴り、気の休まる時間はなかったね。


桐野

今は当直制度が徹底しているから、平日の日中以外はよほどの緊急でない限りはフリーな時間もあるしね。







桐野

うん。昔はそうだった。あと、夏季休暇に関しても、
以前は若手の先生たちはきちんとした休みがもらいにくい環境だったけど


桐野

いまは、若手の先生も、ベテランの先生も
確実に1週間のリフレッシュ休暇が取れるシステムになってたり、
少しづつ働きやすい環境になってきているよ!





 
桐野

そんなシステムがあるんですか?







桐野

以前は医師のやる仕事がとても多かったけど、
今はクラークさん(看護助手)や医師支援業務の方々がサポートしてくださるから、本当に助かってる!







桐野

でも、まだまだ主治医に任される仕事の量が非常に多いので、
個人によっては満足できるほどのワークライフバランスが整っているかというと、
ちょっとなんとも言えないかもね。






桐野

主治医は手術だけじゃなく、手術前の検査や手術の組み立てはもちろん、
カンファレンスや患者さんへの説明からカルテの記載、レセプトや診断書、


桐野

回診や外来…任されていることが多岐に渡るからね。







桐野

…そうですね。







桐野

仕事の効率は大切かもしれないけれど、
外科医の仕事って効率では計れないことの方が多いから難しいところだよね。







桐野

そうそう。でも、君たちのようなこれからの世代を担う外科医たちが
もっと仕事がしやすいような環境を整えることも僕たちの仕事だと思うから、
何か悩んでいることがあったら気軽に相談してね!






 
桐野桐野

ありがとうございます!!







 
桐野

僕たちも、江良井教授やたくさんの先輩方がいろいろとご尽力してくださったからこそ、
自分の研究に取り組む時間ができたり!
研究の成果を出すことができたのも、皆さんのサポートのおかげだと思ってるよ。







桐野

「そう言ってくださると本当に心強いです!








 
 

 外科医という職業は患者さんの命を預かる仕事だからこそ責任が重い。
そのため、どうしても労働時間などの環境という面では医師の負担が大きくなってしまう。

ただ、医師の負担だけに頼ってしまうのではなく、
全体でより良い環境を整えるためにどうすれば良いか考え、
改善していくことが外科医にとってのクオリティライフに繋がっていくのだろう。







 

桐野

あっ、あの…。早速なんですが…
僕のこれからのクオリティオブライフに関わる相談をしても良いですか?







桐野

んっ? どうしたの?







桐野

皆さん、今週末って空いてますか?







桐野

えっ? 今週末?







桐野

実は…今週末に合コンがあるんですけど、メンバーが3人足りなくて…







桐野

……桐野くん…。







桐野

!!!!!!すみません…







桐野

ははははは(笑)。桐野くん!僕たちもそこまではサポートできないや。







桐野

まぁ…その相談内容は、半田先生にもシェアしておこうかな(笑)







桐野

えっ、半田先生に…あ、レポート、そろそろ完成するから提出しなきゃ!


桐野

失礼します!






 

  今週の僕のクオリティオブライフ…。あと3人。なんとしても揃えなければ…。






 

桐野

…桐野くん、なんだかいつになく真面目な顔してるね。殊勝なことです。







桐野

!!!…


桐野

えぇ、明日先生に提出するレポートのクオリティについて考えてました。







 
桐野

…ふぅ〜ん。なるほど…。














桐野

…あ、桐野くん。

週末…僕は空いているからね。










 
桐野

!!!…









 
桐野

…“外科医としてのクオリティオブライフ”を…。大切にしてね(笑)





 
桐野

…はい…。





 





 



 

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