鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 先進治療科学専攻 外科学講座 消化器外科学
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ゲカイチ

Vol.33

ー ゲカイチ看護師主任 千代田さんの日記 pt.2 ー





3月5日(木)  曇りのち雨 
 だんだん暖かくなってきたと思っていたのも束の間、寒の戻りで寒い一日だった。
こんな寒い日は、患者さんたちも体調を崩しやすいので、さらに気を引き締めないといけない。

 そうそう、気を引き締めると言えば、江良井先生の還暦祝賀会くらいから研修医の桐野くんの顔つきが良くなったような気がする。
外科医の大先輩でもある江良井先生から何かを感じとり、医師としての目標が見えたのか…。

なにわともあれ、桐野くんのような若い先生方が、目の前の目標に向かって一生懸命取り組んでいる姿を見ていると、こちらもうれしくなる。

 ニュース番組の天気予報では、明日は雨のようだ。
さらに寒くなるみたいなので、私も気を引き締めなくては。



 
3月6日(金) 雨
今日は、一日中雨模様だった。

 予定手術は2件。午前中の手術は、半田先生による執刀。
半田先生は、とても努力家なのに努力している姿をあまり見せない。
そんな姿に、とても好感が持てる。

 半田先生はもちろん、ゲカイチの先生方はみんな本当に勉強熱心だ。
まったく別の分野で働く方々は、人の命に関わる仕事だから当たり前だと思われるのかもしれないが、多忙な毎日の中でも時間をつくり、学会や研究会をはじめ講習会などに参加し、最先端の知識と技術を学んでいる。本当に頭が下がる。

 そういえば、この前の会議の休憩時間に2017年からはじまる新たな専門医制度についての話題があがっていた。 立ち話だったので、新たな制度についての詳しい内容をもう一度ゲカイチの先生方にお聞きしなければ。
 その際にお聞きした新たな制度の内容では、なんでも三段階構造になるらしく、一段部分が基盤学会である外科学会の専門医、二段目が消化器外科専門医、三段目が食道外科専門医や肝胆膵外科専門医など、実力をつけながら一段ずつ登って行く必要があるとのこと。
 また、森熊先生がライフワークにしている腹腔鏡手術の技術認定医も、今後は三段部分に位置づけられる可能性があるらしい。

 つまり、今後はきちんとした専門医養成プログラムをもった施設でトレーニングを受けなければ、専門医の取得や維持は難しくなるため、先生方はさらなる努力をしなければならないということだった。

 安全な医療、患者さんの健康のために、先生方は日々努力をしている。
看護師である私も頑張らなければ!とにかく、新たな専門医制度が患者さんにとってより良い医療を提供することにつながることになるのであれば、なによりもうれしい。



 



 
3月7日(土) 晴れ
 昨日の雨がウソみたいに晴れ渡った。こんな気持ちの良い朝は、家事がはかどる。

 ここぞとばかりに、出勤までの短い時間で洗濯・掃除をおこなった。
息子たちの服を干していると、二人とも大きくなったと実感。
共働きのため、寂しい思いをさせていることもたくさんあるはずなのに、そんな素振りも見せず素直に育ってくれている。

 とにかく、家族みんなが健康でいてくれれば他には何もいらない。明日のお休みは、息子二人を誘ってお出かけしようと思った。



 



 
3月8日(日) 晴れ
 今日は息子二人を連れてデパートへ出掛けた。
子ども服売場をひと通り回った後、遅めのお昼ご飯を食べに最上階のレストランへ向かう途中、両手いっぱいに荷物を抱えた森熊先生にばったり出会う。「女房と娘の荷物持ちですよ!」と森熊先生は照れながら仰った。

 森熊先生をはじめゲカイチの先生方は、特に仕事とプライベートを上手に分けているような気がする。
 お休みの日はもちろん、診察や研究などで忙しい中でも仕事帰りにスポーツジムに通われている先生もいらっしゃると以前聞いたことがある。
 私も先生方の時間の使い方を見習わなければ。



 



 
3月9日(月) 曇り
 休み明けの出勤は、いつもより早く家を出るのが習慣になっている。不在中、何も起こらなかったことを願いながらナースステーションに入ると、眠そうな目で申し送りの準備をしていた夜勤明けの朝倉さんの姿を見て、ちょっとホッとした。

 比較的落ち着いていたらしい昨日と比べ、搬送された患者さんの緊急手術が行われるなど、今日は目が回るくらい忙しい一日だった。

 そんな休む間もない中でも、江良井先生をはじめとしたゲカイチの先生方は、お互いに助け合いながら速やかで冷静な対応を行っていた。この連携は、日頃から培ったチーム力の賜物なんだと改めて実感した。

 手術と言えば、現在ではNCD(national clinical database)というシステムを活用した一律登録制になっていると半田先生が桐野くんに説明していたことがあった。
 これは、手術内容をすべて一律に登録するシステムとのことで、これからの専門医の維持登録のための症例実績を証明するインフラとして活用されるだけでなく、手術成績からみた医療評価も可能になることで、医療水準の向上にもつながるとても役立つシステムということを、桐野くんに熱く語っていたっけ。

 今度、桐野くんにちゃんと理解できたのか、いじわるな質問でもしてみよう(笑)。



 



 
3月10日(火) 晴れ
 昨日緊急手術を行った患者さんの容態も安定するなど、今日の病棟は比較的穏やかな一日だった。

 午後、来週退院される患者さんのことで半田先生に相談があり医局へ行くと、研修医の桐野くんが森熊先生から腹腔鏡手術についてのレクチャーを受けていた。

 桐野くんみたいなやる気のある真面目な人がゲカイチに入局してくれればいいのにと半田先生に伝えたら、半田先生もそう思うけれど桐野くんが調子に乗るからあまり褒めないでくださいって笑いながら仰っていた。ゲカイチの先生方は、本当に仲が良い。



 



 
3月11日(水) 曇りのち晴れ
 あれから、4年。命に関わる仕事に携わる一人としても、決して忘れられない日。

 午後2時46分、失われた命の尊さを想い黙祷を捧げるとともに、こうして家族みんなが健康に暮らせていることに感謝する。

 今日の夕飯は、ひさしぶりに家族みんなで食卓を囲んだ。子どもたちの学校での出来事や夫と私の仕事のことなど、みんなでご飯を食べながら話をすることができた。そんな何気ないことが本当に幸せなことなんだと、今日という日だからこそ強く思った。

 どんなに疲れていても、家族の笑顔を見ると「明日も頑張ろう!」という活力がわいてくる。

 明日は予定手術が3件入っている。きっと休む暇もないくらい忙しい一日になるかもしれない。でも、どんなに忙しい一日だったとしても、このやりがいのある仕事と恵まれた職場が大好き。看護師として、母親として、子どもたちが自慢したくなるよう女性になれるよう、一日一日を大切に過ごしていかなくては。



 





 

 

 

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