胃グループ
鹿児島県で唯一の日本胃癌学会認定施設A
近年、胃癌に対する治療は高度化して多様化、さらに専門化しております。このような現状を踏まえて日本胃癌学会は質の高い胃癌治療を広く社会に提供していくために施設認定制度を発足させました。この制度では施設認定AとBがあり、特に施設Aは手術や内視鏡治療、化学療法に関する豊富な診療実績はもちろん、消化器内視鏡専門医や消化器外科専門医、内視鏡外科技術認定医、薬物療法専門医、病理専門医が常勤していることなどの14項目の申請条件を満たす必要があります。当院は最も資格基準の厳しい認定施設Aに鹿児島県内では唯一認定されました(日本胃癌学会のホームページからも確認できます
日本胃癌学会 (jgca.jp) )。
この制度により胃癌や食道胃接合部癌と診断された患者様に安心してロボット手術をはじめとする最新の外科診療を受けて頂くことが可能となると考えています。また当科は切除不能胃癌や再発胃癌と診断された患者様にも化学療法を含めた集学的治療を一貫して行っておりますのでいつでも相談頂ければと思います。
ロボット・腹腔鏡による低侵襲手術
早期胃癌に対しては、ロボットや腹腔鏡による胃切除術を第一選択としています。残胃癌や進行胃癌にもロボットや腹腔鏡手術を積極的に導入しており、低侵襲手術の最大のメリットである術後の早期回復を術後補助療法につなげることで予後向上に努めています。さらに可能な限り、胃全摘を回避し、極小胃による幽門側胃切除や噴門側胃切除を導入することで胃切除後障害の軽減にも取り組んでいます。当院には上部消化管領域の日本内視鏡外科学会技術認定医が2名(胃:1名、食道:1名)在籍しており、安全にロボット支援下胃切除術や腹腔鏡下胃切除術を受けることが出来ます。
機能温存縮小手術
これまで当院では早期胃癌に対するセンチネルリンパ節理論による機能温存縮小手術を100例以上に行ってきました。特にセンチネルリンパ節理論に基づく腹腔鏡・内視鏡合同手術による胃局所切除で胃を大きく残すことにより術後胃切除後障害を軽減する取り組みです。インドシアニングリーン蛍光法によるセンチネルリンパ節同定手技も含めて本術式を定型化させ、導入している施設は全国的にも限られているのが現状です。
▲インドシアニングリーン蛍光法によるセンチネルリンパ節同定
機能温存縮小手術
これまで当院では早期胃癌に対するセンチネルリンパ節理論による機能温存縮小手術を100例以上に行ってきました。特にセンチネルリンパ節理論に基づく腹腔鏡・内視鏡合同手術による胃局所切除で胃を大きく残すことにより術後胃切除後障害を軽減する取り組みです。インドシアニングリーン蛍光法によるセンチネルリンパ節同定手技も含めて本術式を定型化させ、導入している施設は全国的にも限られているのが現状です。
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▲腹腔鏡下での漿膜・筋層切開
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▲腹腔鏡下での全層切離
化学療法と手術を
組み合わせた集学的治療
消化器内科との合同カンファレンス
消化器内科と合同で上部消化管カンファレンスを月1回行っており、症例の診断や治療方針について検討しています。
【扱っている疾患】
・胃疾患
胃腫瘍:胃癌,食道胃接合部癌,神経内分泌腫瘍(NET),消化管間質腫瘍(GIST)
・十二指腸疾患
十二指腸腫瘍:十二指腸癌,十二指腸腺腫,消化管間質腫瘍(GIST)
食道グループ
食道に発生する腫瘍の治療をしています。
食道腫瘍には良性と悪性がありますが、主に食道癌の診断と治療を行っています。
食道は解剖学的に後縦隔(胸の奥)にあり、治療が困難な部位にあります。同じ食道癌でもその進行具合によって治療は異なります。治療は大きく手術、放射線治療、化学療法の組み合わせが行われています。
図でこれらの治療の概要を示していますのでご参考にしてください。
▲早期癌に対する内視鏡による切除(内視鏡的粘膜切除術)
早期癌に対する内視鏡による切除(内視鏡的粘膜切除術)
体に切開を入れずに内視鏡で病変部を切除する方法です。
胸腔鏡を用いた縮小手術(センチネル・ノード同定)
体に小切開を加え内視鏡を用いて切除する方法。センチネル・ノードとは最もリンパ節転移が起こりやすいと考えられるリンパ節を同定する方法です。
放射線化学療法
放射線と抗癌剤を組み合わせて行う治療。手術を前提に行う場合や手術をしない場合にも行います
ステント療法
切除ができない場合でも食事が取れるようにステントを挿入する治療があります。
患者さんの体力や病気の進行度は一人一人異なっています。
病気になったら一人であるいは家族の人だけで悩まずに、一緒に相談しながら各人に一番適した治療を納得しながら行っていくことが大事です。いつでもご相談されますようお待ちしております。
大腸グループ
大腸がんを中心に、小腸・大腸・肛門の病気に対する外科的治療を行っています。
大腸グループでは、日本消化器外科学会専門医が3名在籍し、そのうち2名が日本内視鏡外科学会の技術認定医、3名がロボット手術の免許を有し、1名はロボット手術のプロクター(指導医)資格を有しています。大腸がんに対するロボット支援手術や腹腔鏡手術など、患者様にできるだけ負担の少ない低侵襲手術を専門的に行うグループです。ロボット手術はダビンチとヒノトリという2種類の手術ロボットを使い分けています。小さな傷で手術ができるため体への負担が少なく、術後の回復が早いのが特徴です。また高解像度の3D画面を見ながら、自由に動く多関節の器具(鉗子)を使って操作できるため、体の中をより正確に、安全に手術することができます。これらの特長により、大腸がんの手術において高い効果が期待できます。
大腸グループの取り組み
①直腸がんに対するロボット手術
②結腸がんに対するロボット手術
③稀な疾患(NETやGISTなど)に対する外科治療
④他臓器浸潤を伴う大腸癌治療:集学的治療と他科合同手術
⑤下部直腸腫瘍に対する経肛門的腫瘍切除(TAMIS)
⑥進行直腸癌に対する術前治療
⑦手術を目指した薬物療法
直腸がんに対するロボット手術
当科では2018年にロボット支援直腸手術が保険収載された以降導入し、これまで100例以上を施行しております。操作性の高いロボット手術の特性を生かして、人工肛門を回避できる症例も増えており、ロボット手術の利点を最大限に生かした手術を行っております。
結腸がんに対するロボット手術
直腸癌に遅れること4年、2022年より結腸癌に対するロボット支援手術が保険収載され、当科でも導入しています。体腔内吻合など、腹腔鏡手術では難易度が高い手技を行え、ロボットの特性を生かした精緻な手術が可能であるため、症例数も増加傾向です。
稀な疾患(NETやGISTなど)に対する外科治療
NETやGISTなど、稀な大腸腫瘍に対する手術も積極的に行っております。悪性腫瘍の一つである直腸NETは比較的若年者に多く、また肛門に近い部位に存在するため、人工肛門を避けるべく肛門機能温存を目指したロボット手術も有効な術式の一つです。
他臓器浸潤を伴う大腸癌治療:集学的治療と他科合同手術
直腸癌は骨盤内に存在するため、高度進行癌になると子宮や膀胱へ浸潤することがあります。もともとは膀胱や子宮など臓器温存が出来ない症例に対して、抗がん剤治療を併用し腫瘍を小さくすることで、臓器温存手術を泌尿器科や婦人科と合同で行っております。
下部直腸腫瘍に対する経肛門的腫瘍切除(TAMIS)
下部直腸の早期癌や直腸腫瘍に対して、腹腔鏡システムを用いて経肛門的に腫瘍切除を行うTAMIS(trans anal minimal invasive surgery)を行っております。人工肛門を回避でき、肛門機能への影響も少ない術式であり、症例を選択し施行しております。
進行直腸癌に対する術前治療
進行した直腸がんでは、手術によって排便や排尿などの機能に影響が出たり、場合によっては人工肛門が必要になることがあります。また、結腸がんに比べて再発や転移が起こりやすいとされています。そのため、機能をできるだけ保ちながら再発を抑える目的で、手術の前に治療を行うことがあります。近年注目されている治療法に「TNT(トータル・ネオアジュバント療法)」があります。これは手術前に抗がん剤治療と放射線治療を組み合わせて集中的に行う方法で、がんを小さくしたり、再発や転移を防ぐ効果が期待されています。当院でも患者さんの状態に応じて、この治療を取り入れています。
手術を目指した薬物療法
遠隔転移を伴う大腸がんでも、手術によってすべてのがんを取りきることができれば、予後の改善が期待できることが知られています。そのため大腸グループでは、将来的な手術を見据えて積極的に薬物療法を行っています。外科医が薬物療法も担当することで、手術のタイミングを逃さずに判断できる点が強みです。また、肝転移に対しては肝臓外科、肺転移に対しては呼吸器外科と連携し、患者さん一人ひとりに最適な治療時期や手術方法を検討しています。さらに近年では、がんの遺伝子を調べて治療効果が期待できる薬(分子標的薬)を選択することで、これまで手術が難しかった患者さんでも手術が可能となるケースが増えています。
肝臓グループ
より傷の小さい、侵襲の少ない手術を心掛けてます。
肝臓悪性腫瘍には、肝臓原発の肝細胞癌、肝内胆管癌等と、転移性肝癌とがあります。本邦の肝細胞癌は慢性B型肝炎やC型肝炎が原因となったものが90%程を占めていますが、最近では糖尿病、高血圧、肥満とも関連がいわれている非アルコール性脂肪肝炎からの発癌も増えつつあります。
肝細胞癌の治療は肝切除、ラジオ波焼灼、肝動脈塞栓、全身化学療法、肝移植等があります。消化器内科の肝臓治療グループとの合同カンファレンスを月2回行い,治療内容の確認や治療方針の検討を行っています。また、手術に関しては、当科内で週2回の術前・術後の症例検討会を行い、全医局員による治療方針の検討と手術内容等の確認を行っています。
肝切除の特徴として、
1)血管や胆管が無数に走向する3次元構造である
2)脈管走向の多様性
3)術式の多様性
4)出血リスクが大きい
等により、手術における安全性の確保が非常に重要となります。
CTおよび3次元シミュレーション画像を用い、実際の解剖に近い構造を画像化し、術前シミュレーションし、手術のリスク軽減に努めています。肝臓グループでは年間約70例の肝臓手術を行っており、年間50例以上必要な高難度肝切除を行いえており、日本肝胆膵外科学会認定修練施設Aの認定を受けています。
また、肝胆膵領域の日本内視鏡外科学会技術認定医が3名在籍しており、低侵襲手術の一つである腹腔鏡手術を積極的に導入し、約60%の症例は腹腔鏡アプローチで肝切除術を施行しています。
全ての腹腔鏡下肝切除術に肝臓領域の内視鏡技術認定医が関わっており、より傷の小さい、侵襲の少ない手術を心掛けております。
扱っている疾患
・肝疾患
肝悪性腫瘍:肝細胞癌、肝内胆管腫瘍(肝内胆管癌、細胆管癌、粘液性嚢胞腺腫等)、混合型肝癌、肝神経内分泌腫瘍、転移性肝腫瘍(主に大腸癌)など
肝良性腫瘍:肝血管腫、限局性結節性過形成、肝細胞腺腫、肝内結石症など
・胆道疾患
胆道腫瘍:肝門部胆管癌,胆嚢癌など
胆膵グループ
胆膵Gの特徴
・日本肝胆膵外科学会認定修練施設Aの認定を受けています。
修練施設Aを取得するためには年間50例以上の高難度肝胆膵外科手術実績が必要です。
・日本肝胆膵外科学会高度技能指専門医取得者が4名在籍しています。
高度技能専門医を取得するためには高難度肝胆膵手術を50例以上術者として経験し、手術ビデオ審査等の厳正な審査を通過することが必要です。
・治療方針検討カンファレンス
当科内で週2回の術前・術後の症例検討会を行い、全医局員による治療方針の検討と手術内容等の確認を行っています。
・他科との合同カンファレンス
消化器内科・放射線科・病理の胆膵治療グループで合同カンファレンスを月1回行い、治療内容の確認や治療方針の検討を行っています。放射線治療症例に関しては、放射線治療医と週1回の合同カンファレンスを行い、治療内容や経過の確認を行っています。
・術前治療
局所進行膵癌に対して、術前化学療法および化学放射線療法を積極的に導入し、その後に外科的切除を行う集学的治療により、予後の改善を図っています。血管合併切除や肝膵同時切除等も行い根治切除を目指した手術を行っています。
・低侵襲手術
胆膵疾患に対する腹腔鏡手術およびロボット手術を積極的に導入し、低侵襲手術を行っています。肝胆膵領域の日本内視鏡外科学会技術認定医が3名在籍しています。
▲初診時局所進行切除不能膵癌に対する術前化学療法→化学放射線療法→切除症例
病理組織学的検査で癌細胞の遺残なし(完全奏効)
扱っている疾患
・膵疾患
膵腫瘍:膵癌、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵神経内分泌腫瘍(PNET)、膵粘液性嚢胞腫瘍(MCN)、膵充実性偽乳頭状腫瘍(SPN)、膵漿液性嚢胞腫瘍(SCN)、膵管内管状乳頭腫瘍(ITPN)、慢性膵炎
・胆道疾患
胆道腫瘍:胆管癌、胆嚢癌、十二指腸乳頭部癌、良性胆道疾患:先天性胆道拡張症・膵胆管合流異常症、胆石胆嚢炎
・十二指腸疾患
十二指腸腫瘍:十二指腸癌、十二指腸消化管間質腫瘍(GIST)
・脾臓疾患
脾腫瘍:原発性脾腫瘍、転移性脾腫瘍
その他:特発性血小板減少性紫斑病(ITP)