鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 先進治療科学専攻 外科学講座 消化器外科学
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特選コラム

自分の可能性。
はじめにー。君は留学をどう考える?

皆さん,はじめまして.当科のWebsiteを見て下さっている若手の先生方や学生さんに留学の紹介をとの依頼がありましたので,私,喜多芳昭が,海外留学の紹介をしたいと思います.まず私の経歴ですが,平成11年に当科に入局,6年間の臨床研修後,7,8年目は大学院生として研究に従事し,その後大学病院を含め5年間臨床研修の後,昨年8月に渡米しました.留学先は,アメリカテキサス州ヒューストン市にあるMD Anderson Cancer Centerで癌の基礎研究に従事しています.名前は聞いたことあるかもしれません.全米で,つまり世界で最も大きな癌センターと解釈して頂ければよろしいかと.
 この原稿を書くにあたって,「MD anderson,留学」で検索してみました.残念ながら施設のことやヒューストンのことはほぼわかってしまいます. web社会恐るべしです.そこで,できるだけweb上に無いことをここでは紹介できるように頑張りたいと思います.


 さて,皆さんは留学についてどう思いますか.医師として何を志すか,患者さんをどう治療するか,外科医として手術はもちろん技術や知識を早く得たい,という希望に燃えている皆さんに留学???興味がある方半分,興味が無い方が半分という感じでしょうか.私自身,「海外で基礎研究に2年間ももったいない,その間臨床経験を積んだ方がいいや」と思っていました.しかし,もちろん臨床の鍛錬に終わりはありませんが,働き初めて年数が経過すると,最初は考えて緊張やっていたことも慣れると頭を使わなくなります.これ私の仕事なの?てことも増えます.外科や医師に限らずすべての業種で言えることと思います.そして6年経過し大学院生で研究している時に,少し癌の基礎研究の世界に興味が向いたわけです.
 医学部が理系であることを考えれば皆さんも十分興味が持てると思います.その後,再び臨床に戻ったわけですが,患者さんに「先生,なんで癌ができるのですか?」と聞かれた時,以前は適当なこと言ってごまかしていたのが,考えながら話している自分の変化に気付きました.抗癌剤・放射線の効果や耐性,手術後の炎症反応等など,一歩深いところで考えるようになりましたし,なによりそれが苦にならなくなりました.その延長が海外留学だったわけです.


 話をもとに戻します.留学は研究ばかりではありません.「海外で生活してみたいですか?」という質問にNoと答える方は少ないのでは.では海外生活の魅力はというと,日本で経験できないこと,アメリカに関して言えば,「スケールの大きさ」,この一言に尽きるのではないでしょうか.国立公園など写真では伝わらないスケールです.圧倒的な大きさと物量,それゆえの適当さや危険さ,これを肌で感じることができます.旅行と生活は全く違います.食事,車,住む所,学校,病院,銀行など日本では何でもないことで苦労が絶えません.しかし苦労話でトークの引き出しを増やすことができます.すべて含めexcitingな人生経験です.あとは写真が参考になれば幸いです.もちろん,日本人を含めいろいろな人との出会いがあります.嫌でもいろんな国の人々の生活習慣や考え方を知ることができ,間違いなく視野が広がります.



 では留学するにはどうしたらいいか.これはいろいろな方法があると思いますので一概には言えないのですが.一般的なのが,大学等研究施設間の交換留学プログラムによって発行されるJ1 VISAでの留学です.私の場合,テキサス大学と鹿児島大学の交換留学プログラム上での研究という前提でVISAが発行されています.じゃあ大学や研究所で研究に従事してないと留学できないかというと,私の経歴の通り,答はNoです.ただ,これは僕の反省でもありますが,ある程度の分子生物学の知識,実験の基礎知識,英語力はあった方がいいかもしれません.もちろん大学院在籍時に勉強するレベルで充分と思います.



 どうでしょうか?留学に興味を持って頂けたでしょうか?もちろん留学の期間をどう考えるかは人それぞれですし,僕自身,まだ留学してよかったかどうかの答えは出ていません.でも若い皆さんが,最初から可能性を潰すのはもったいないと正直思います.これを機会に選択肢の一つとして留学を考えて頂けると幸いです.











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