鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 先進治療科学専攻 外科学講座 消化器外科学
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特選コラム

楽しいと思えたら、それがあなたの進む道

自己紹介

 はじめましての方も、そうでない方もこんにちは。この記事を読んでいただき誠にありがとうございます。寄稿時は消化器外科入局1年目の米倉圭です。
 私は埼玉県草加市で米倉家の第2子として生まれ、地元の公立小中学校、公立の男子校である春日部高校卒業し、1年間の浪人生活を経て、鹿児島大学に進学しました。浪人を除けばずっと公立校で、“質実剛健”という高校のスローガンを体現しているといっても過言ではありません。
旅行が趣味で大学時代は旅行費を稼ぐためにバイト三昧でした。大学卒業時のヨーロッパ旅行では帰国便がボイコットにより欠航になったり、研修終わりのペルー旅行では全員が胃腸炎となり、トイレの奪い合いをしながらマチュピチュを訪れました。さらには帰国便が6時間遅延し帰国日に予定していた両家顔合わせに遅刻するなど私の海外旅行はいつもスリル満点でした。
 今村総合病院での研修生活を経て、鹿児島大学消化器外科へ入局。現在は済生会川内病院で日々鍛えていただいています。


ボイコットにより帰国便がないと知った直後の写真




腹痛に耐えながら笑顔で撮影、景色はあまり楽しめませんでした

 



【外科医を目指したきっかけ】

 学生時代の私は、外科への興味はもってなく“何科になりたいか”は完全に未定。当時の私は、将来の進路よりバイトのシフトの方が深刻でした。
 初期研修病院は県外にたくさんいけるという理由で今村総合病院を選びました。福岡県、沖縄県、北海道へ研修(旅行)にいきました。なりたい診療科は決まらない中で1年目の最後に外科研修を行いました。今村総合病院では外科研修は必修で2カ月あり、手術室の雰囲気は好きでしたが、術中の解剖もカメラワークも分からず、壊れたドローンで撮影しているのかと思われたことでしょう。天地とは!?
 そんな私にも2カ月目になるとわずかな成長があり、先生方の会話にちょっとツッコめたり、自分から手を出す動作も3回に1回は褒められ、外科の面白さがじわじわ分かってきた頃です。 しかし、外科の先生方は手術・化学療法・病棟・救急対応・外来・学会とフル稼働で、「いつ家に帰っているのだろうか?」と本気で思っていました。かっこいい。けど生活は?趣味は?旅行は?(外科医に休みはあるのか?)

 そんな疑問に光が差したのは、入局2年目の先生の一言でした。
「1年目でも韓国旅行いけたよ。」
外科医が…海外へ…!?青天の霹靂とはまさにこのこと。外科医も海外旅行に行けるんだなあと思いました。
「まあ1年で唯一の休みだけどね」
と先輩医師が呟いていたのは聞き逃しませんでしたが……


 研修医2年目の夏に大学の上部グループで胃癌・食道癌の手術に参加しました。
大学の手術は朝9時前に始まり、日付が変わっても続くことがあり、さらにそのあと緊急手術2件というフルコンボの日もありました。先生方が“やるしかねぇ”という覚悟で臨む姿に、なぜか私の心も躍りました。完全に感化されています。さらに結紮縫合タイムトライアルや食道癌手術で胸腔鏡のカメラワークを褒めていただいたこともあって、私は“外科楽しい”としっかり勘違い。
 当時の称賛はおそらくリップサービスであり、全員に言っていたのではないでしょうか。
ただ、内科的な知識に不安もありこのまま外科になって良いか不安もありました。そんなとき内科と外科のダブルライセンスを持つ先生に相談したところ、
「その気持ちがあるなら、最初から外科に行っても大丈夫」
と背中を押されました。

私は一人では到底外科をやりきる自信を持てませんでしたが、最後は外科医の父を持つ妻から「行ってこい。家には帰ってこい」と言われ、私は外科入局を決心しました。それは旅好き男子の人生をかけた冒険が“外科の道”に決定した瞬間でもありました。


私を外科の道に誘ってくれた先輩たち




初めての執刀

 

 



【外科専攻医としての経験】

 外科人生のスタートは済生会川内病院でした。ここは非常に環境がよく、上司たちはみな体力お化けで外来とオペ室を行き来しているのに余裕があり優しく接してくれ、時に愛ある厳しい指導をくださります。先輩は恐ろしく仕事ができ、私は毎日その背中を羨望の眼差しで見ています。追いかけても追いかけても背中が見えません。速い。
 もちろん楽しいことばかりではなく、手術で悔しい思いをしたり、病棟管理の甘さで帰りが遅くなる日もあります。ご存知の通りそういう日の方が多いです。それでも、先生方や病棟スタッフの皆さんに助けられながら、日々の業務をこなしているつもりです。
 夏休みはしっかりいただき、10月にはロサンゼルスへ行ってきました。NLDS第4戦のドジャース対フィリーズを現地で観戦し、大谷選手と佐々木選手の活躍を生で見るという贅沢をしてしまいました。特に佐々木選手は24歳で3回パーフェクトリリーフ。球場は嵐のように盛り上がり、私も仕事を完全に忘れて熱狂しました。
 岩手県陸前高田市出身の若者が世界で活躍している姿をみて教室で掲げられている「地域医療から世界へ」の言葉を、なぜかここで思い出し、私の心にも火がつきました。グローカルって言葉が私も大好きです。


ペイシェントカートと済生会のメンバー symmetryがかっこよいですね




ドジャース観戦、最上段のこの席で1人2万円。選手は豆粒ほどです。




【診療科を迷っている先生へ】

 外科の魅力は、私の浅い経験と拙い文章では語ることはできません。ただ、診療科を選ぶうえで私が大事にしたことだけ共有できればと思います。

「楽しいと思えたら、それがあなたの進む道」
ということです。
研修医や学生時代に見える診療科の姿はほんの一部です。入局してから「あ、こういう一面もあったのね」と思うことは山ほどあります。しかし、私は“外科が楽しい”と思えているからこそ、忙しさや悔しさも乗り越えられているのだと思います。
もし診療科選びに迷っていたら、どうぞ連絡してください。外科の楽しいところも、つらいところも、全部話します。隠された面はきっとChatGPTも教えてくれないはずです。面識がなくても大歓迎です。外科医は飲み会が好きなので適当な理由をつけて誘ってください。


青の洞窟(イタリアのカプリ島にて)




上空3300mからのスカイダイビング





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