鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 先進治療科学専攻 外科学講座 消化器外科学
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ゲカイチ

Vol.69

ー 大学の垣根を超えて ー




 

 新しく生まれ変わった研究棟(VOL.35参照)では、ベッドフリーフリーという臨床を離れた期間の中で、様々な研究に取り組んでいる先生たちがいる。





 

桐野

あれっ、桐野くん!どうしたの?

桐野

桐野くんが研究棟に来るなんて、珍しいわね







 

 現在、ベッドフリーとして研究をおこなっている戸畑先生と福田先生が二人でお茶をしていた







 

桐野

いや、ベッドフリーの先生方がどんなことをされてるのかちょっと見学に…。

 
桐野

それにしても、戸畑先生と福田先生こそ、論文作成で大変な時期じゃないんですか?







 
桐野

菅先生の指導のおかげで順調に進んでいるのよ。







 
桐野

菅先生?………ですか?







 
桐野

万葉大学から基礎研究の指導のために来てくださっている菅先生にお会いしたことないの?






 
桐野

はっ、はぁ…。多分。







 
桐野

じゃ、せっかくだからご挨拶に行きましょう!



 




 なんだかよくわからないまま、女性2人のパワーに押し切られ、引っ張られるように挨拶へ向かった。

 噂の菅先生はちょうど、半年前にベッドフリーとなり、研究生活に入った上村先生、満吉先生、田和先生の3人と和やかに話をされていた。







 

桐野

菅先生!お話中、申し訳ありません。





 
桐野

ん、どうしたの?





 
桐野

研修医の桐野くんが、どうしても菅先生にお話がある!
って言うことを聞かないので連れて来ました。


 






 無茶振りにびっくりしている僕の横で福田先生が笑っている。







 

桐野

あっ、あの、はじめまして…。ゲカイチで研修医をしている桐野と申します。





 
桐野

んっ?桐野くん…だよね?

 
桐野

ほら、覚えてないかな、この前の医局対抗野球大会!





 
桐野

…医局対抗野球大会ですか?





 
桐野

そうそう、医局対抗野球大会!





 
桐野

医局対抗野球大会………。





 
桐野

あっ!あの時、僕がまったくストライクが入らなくて降板させられた後、
リリーフとして3人をピシャッと抑えた菅先生ですか!





 
桐野

そうそう!久しぶりだね。





 
桐野

お久しぶりです。

 
桐野

あの時は本当に申し訳ありませんでした。





 
桐野

あの7連続フォアボールは伝説になってるからね(笑)。





 
桐野

は、はぁ。あの時は頭が真っ白になってしまって、
その後の記憶があまりなくて…。
すみません…。





 
桐野

ははははは(笑)。大丈夫、気にしなくていいよ。
ところで、私に何か話があったんじゃないの?






 
桐野

えっ!あっ!いやぁ…。えーと…

 
桐野

…先生は研究テーマをどうやって決められているんですか?






 
桐野

研究テーマのことだったら、現役の先生方に聞いた方が良いかもね!




 





 そう言うと、名司会者のようにベッドフリーの先生方へ話を促す。










 

桐野

ベッドフリーになる前に、教授からいろいろなテーマをもらうんだよ。






 
桐野

そうそう!教授からアドバイスをいただきながらテーマを決めるんだ。

桐野

まずは先輩方がされた研究内容をお聞きしたり、
現在の動向や、過去の仕事の内容を把握するために
いろんな論文を調べたりしながらプランを立てたりね。





 
桐野

でも、いきなり臨床外の研究って言われても、
どうすればいいのかわからないでしょ?







 
桐野

ええ…。






 
桐野

そんな私たちを助けてくださっているのが菅先生なのよ。





 
桐野

…そうなんですか?






 
桐野

いやいや、僕はちょっとだけアドバイスしてるだけだよ。





 
桐野

菅先生は外科の摘出検体を基にして、
マイクロRNAを主体とした研究をご指導いただいているのよ。





 
桐野

そんな私たちを助けてくださっているのが菅先生というわけ。







 
桐野

…マ、マイクロRNA?…ですか…






 
桐野

マイクロRNAとは、ヒトゲノムの中の蛋白をコードしない多数のRNA分子なんだけど。

桐野

その中でもわずか18-25塩基長の一本鎖RNAなんだよ!
そのマイクロRNAはたくさんの種類が存在するんだけど、

桐野

癌を促進したり、抑制したり、働きがさまざまあるから、
最新の癌研究では非常に注目されている研究のひとつ。って言われているんだよ。





 
桐野

すごいですね!





 
桐野

菅先生には、実験のご指導はもちろん研究
に対する考え方から論文の書き方まで、

桐野

これまでの研究で培われた知識と技術を
惜しみなく教えてくださるから、本当にありがたい存在なのよ。





 
桐野

そう言えば、福田先生と戸畑先生はすでに論文受理されつつあるんですよね。





 
桐野

いろいろあったけどね(笑)。
なんとかここまでこれたのも菅先生のおかげです。ありがとうございます!





 
桐野

私の力じゃなく、福田先生と戸畑先生の研究に対する真摯な姿勢と努力があったからこそだよ。





 
桐野

あぁ、早く研究生活から脱出したい…笑





 
桐野

上村先生、満吉先生、田和先生の3人も、方向性がほぼ決まったから、
あとはどう研究を進めていくかだけだから、

 
桐野

あまりネガティブにならないでベッドフリーという貴重な2年間を
楽しみながら研究に取り組めば、きっと大丈夫だよ!





 
桐野

菅先生にそう言っていただけると、なんだか力が湧いてきます!





 
桐野

ところで、桐野くんは研究テーマって決まったの?






 
桐野

実は、まだ…。





 
桐野

そうなんだ。
まぁ、まだ時間はあるから焦らなくて大丈夫だとは思うけど、

 
桐野

まずは、いろいろな先生方の話を聞いたり、たくさんの論文を読んで、
自分は何に興味があるのかをしっかりと見つけることが大切かもね。





 
桐野

はい!


 






 他大学の先生が、ベッドフリーとなった先生方の研究を指導してくださっていることを初めて知った。

 僕も近い将来、ベッドフリーとして研究に取り組む時期がやってくる。
その時のためにも、今からいろいろな先生方の話を聞いたり、たくさんの論文を読んでおかなくちゃ。






 

桐野

あと、研究には失敗がつきものだから、気持ちを切り替えることも大切だよ。

 
桐野

この前の野球大会みたいに7連続フォアボールを出しても、
自分を見失わないこととかな。
ははははは









 
桐野

ははは…。

 
桐野

…まずはそこからですね…。









 

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