鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 先進治療科学専攻 外科学講座 消化器外科学
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ゲカイチ

Vol.45

ー お・も・て・な・し ー




 意外かもしれないが、医師のおよそ半数は学生時代に運動部に所属していたと言われている。

 特に外科医は身体が資本。周りを見回すと、もともと野球をしていたや陸上をしていたなど、
学生時代に取り組んでいたスポーツの話を聞くことが多い。

その中でも、スポーツ万能と言われている後谷先生は小さい頃からサッカーをしていると有名だった。


 

桐野

後谷先生、おつかれさまです。





 
桐野

おっ!桐野くん!おつかれさま。







 

 医局内にある休憩スペースで後谷先生が新聞のスポーツ欄を熱心に読んでいた。







桐野

そういえば、後谷先生って学生時代にサッカーをされていたんですよね





 
桐野

そうだよ。どうしたの、いきなり。





 
桐野

いや、僕も小学生の頃に漫画の主人公に憧れて
少しだけサッカーをやっていたので…





 
桐野

そうなんだ!






桐野

でも、僕の場合はリフティングが10回も続かなくて
すぐに諦めてしまったから、もっぱら見る専門になっていますけど。






桐野

ははははは(笑)。
それじゃ、今年はリオデジャネイロオリンピックの男子サッカーが楽しみだね。






桐野

はい。今年の夏は寝不足に悩まされそうです。






桐野

でも、それが遅刻の理由にはならないからね(笑)






桐野

ですよね…






桐野

そう考えると、2020年に開催される
東京オリンピックは寝不足にならずにすみそうだね。






桐野

そうですね。






桐野

でも、オリンピックが日本で開催されるなんて、
本当にワクワクするよ。








 

今度は東京オリンピックの話題が耳に入ったのか、江良井教授が話に加わってきた。





 

桐野

皆さんお揃いで東京オリンピックの話ですか?





 
桐野

あ。教授!おつかれさまです。






桐野

また東京でオリンピックが開催されるなんて夢のようです。


桐野

前回の東京オリンピックの時は、子供ながらにワクワクしました。






 
桐野

2回も日本で開催される夏季オリンピックを
見られるなんて、うらやましいです。






桐野

うん。……あぁ……。

 




 

 さっきまでにこやかに話していた江良井教授の顔が急に曇りだした。





 

桐野

そうです!
桐野くん、東京オリンピックの前に
一つとても重大な大会があることを忘れていませんか?






桐野

東京オリンピックの前に。ですか…?






桐野

そうです。東京オリンピックの前です!







 


 江良井教授の鋭い眼光に、嫌な汗が湧き出る。






桐野

あっ!2年後の夏に開催される『日本消化器外科学会』ですか!






桐野

その通りです!








 

日本全国の消化器外科医が年に一回集結し、
熱い討議をするとても大きな学会が2018年の夏に鹿児島で開催される。

そして、その主催をゲカイチが任されている。






桐野

2018年の学会は50周年記念大会ですから、 
絶対に鹿児島に来て良かった!
と思っていただけなければいけません。






桐野

はい!






桐野

夏に学術集会が開催される『日本消化器外科学会』は、
消化器外科領域の外科医が年に一回一堂に会する貴重な機会です。


桐野

この学会には病院や研究所などの施設が、
幅広いデータを持ち寄って研究の成果を発表し合うので、
自分が進めている臨床・研究にとても役立ちますよ。


桐野

それに、医療メーカーの展示などもあり、
最先端のデバイスや手技を吸収できるからとても刺激を受けますね。







桐野

本当にそうですね。







桐野

名だたる先生方の講演はもちろん、
時には著名人の講演やステージがあったり、
学術的にも文化的にもとても有意義な時間です。


桐野

それと、自分と同じ世代の先生方もたくさんもいらっしゃるので、
その先生方の発表を聞くと『自分も頑張らなくては!』と奮起したり、


桐野

同世代だからこそ共感できる悩みなどを話せたり、
非常に刺激を受けることができますよ。







桐野

そうなんですか!






桐野

秋にも、消化器病学会と一緒に開催されるJDDWという学会もありますが、
やはりメインは夏の学術集会です。


桐野

それに、なんと言っても、鹿児島での開催は50年記念大会ですからね!
これは気合が入ります!







桐野

日本全国の消化器外科医8,000人が集結する大会だからね、桐野くん!
2004年に鹿児島で開催された時は、
プログラム作成や学会の学術的なことはもちろん、
全員懇親会や会場の整備・催し物の準備など、かなりの仕事があるからね。




 

桐野

大変そうですね!?








桐野

全員懇親会を桜島でおこない、その時には花火が海から上がったり、
特設会場ではバンドマンが演奏したり、焼酎タワーがあったり、
今でも記憶に残っています。






桐野

後谷先生もキーボーディストとして活躍されましたからね。






桐野

あの時はオペ前くらい緊張しましたね。






桐野

はははは(笑)。2018年は、
さらに記憶に残るような大会にしたいと思っていますよ。






桐野

はい!






桐野

幸いにも鹿児島には、桜島などの絶景はもちろん、
温泉や美味しい料理・焼酎があります。


桐野

日本全国の消化器外科医の皆さんにその素晴らしさを実感していたけるよう、
さらなるおもてなしの心と学術的な工夫ができたらと思っています。






桐野

そうですね。






桐野

ということで、桐野くんには
全員懇親会の催しを考えてもらおうと思っていますから、
今からしっかりと考えておいてくださいね。






桐野

全員懇親会の催しですか!?






桐野

はい。






桐野

そんな大役、僕には…






桐野

(お・も・て・な・し)


後ろで話を聞いてた半田先生が耳元でぼそっとつぶやく。






桐野

(に・げ・ば・な・し)





後谷先生は隣で笑うのを堪えている。




桐野

はい…。
皆さんの記憶に残るような催しができるよう、
おもてなしの心でがんばります。






桐野

そうです!おもてなしの心が外科医には必要ですよ。






桐野

はい(泣)。






桐野

では、早速ですが来週までに簡単なアイデアを出してくださいね。






桐野

来週ですか!






桐野

楽しみにしていますよ。







 その言葉を残し江良井教授は休憩スペースを立ち去った。





桐野

桐野くん、何事も経験だから(笑)







桐野

(が・ん・ば・っ・て!)







 ひょんなことからとてつもない大役を任されてしまった…
とりあえず、来週までにアイデアを出さなければ…。
でも、今の僕の頭の中には

「ね・む・れ・な・い」

という五文字だけが浮かんでいる。






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