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    新:コミュニケーション






      やっと暖かくなってきた。
     中庭に出てくると日中は白衣を羽織るだけでもじわっと汗ばんでくるくらいだ。
     暖かいのはいい。なんだか元気が出るし、先生たちに頼まれた資料作りも順調に進んでいる。

     …気がする。








    うん。これでよし!







    なんだか最近調子良さそうですね。
    だけど、『好事魔多し』ですよ。 桐野くん。











     

     研究室のPCを借りて、資料のフィニッシュ作業がそろそろ終わる。
    と言う時に半田先生が突然意味深なことを言った。








     

    医者たるもの、油断しないこと、
    そして密にコミュニケーションをとることが大事なのです…。







    え、ええ…そうですね。
    いきなりどうしたんですか?







    今年は …集合写真が…撮れないんです…。







    あ…今年入局した先生たちのことですね?







    そうなんだ…。
    今年は個性派ぞろいということもあって、
    全員集合して初顔合わせできることを楽しみにしてたんですが…







    今年の入局は7人でしたね。







    そう、鹿児島出身だけど、
    他の大学の医局で臨床研修後、数年過ごして
    中途入局した先生が3人。

    そして、
    初期研修後入局した、医師三年目のフレッシュな先生が4人の計7人。

    所属していたサークルも環境もみんな違うから、
    面白い話ができると思って楽しみにしていたんですが…。







    コロナ禍とはいえ、
    多様化が重視される時代ですからね…。
    若手の意見を取り入れながら、
    立派な外科医を育てていくことも我々の役割です。







    教授は、
    「入局する先生たちとの集合写真が楽しみ」
    とおっしゃってましたね。







    ということで、
    来れなかった先生たちを含めて、ひとまずzoomで集まって、
    今、ゲカイチの先生たちと顔合わせしてもらってるところです。







    今ですか!?
    僕も挨拶します!














     専門医取得、専門領域の研究のため、大半の医師が大学の医局を選ぶ。

    大きなメリットとしては、
    ●基礎研究や留学などによる幅や機会を多く得られること。
     最新設備や希少症例なども多く、得られる経験の幅は広い。

    さらに、

    ●子育てがしやすい環境。
     医局では比較的医師が多いため、休職時の体制を組みやすかったり、
    様々な制約がある中でも職場の復帰に関して融通が利きやすい。
    ということもメリットの一つだ。


    …とはいえ、
    入局する医師にとっては指導を受ける環境として、
    コミュニケーション環境が良好であるかどうかは重要なポイントとなる。

    これからの医師としての一生を決める選択と言っても間違いない。
    相当な緊張や心構えで来るのだろう。
    コロナ禍の制約がある中で、リモートとはいえ、機会があれば常にコミュニケーションを密にしておく。
    ゲカイチイズム、ここに極まれり。
    という感じだ。


     ということで、何事も第一印象が肝心。
    急いでカンファレンス室に向かうと、
    有下先生が新入局の先生たちと話しているところだった。







    はじめまして!いつも勉強させてもらっています。桐野です!









     カンファレンス室に集まった新入局の先生も、
    画面の向こうにいる新入局の先生たちも、
    全員『あー…』という顔をしている。




     








    そう、彼が、噂の桐野くんですよ。







    あ、合コン好きの…







    え、あ、はい…。
    コミュケーション力強化の勉強として…







    わかりますよ。
    僕も東京の大学で合コン隊長でした。

    吉梅です。







    東川です。
    僕は、フットサルサークルでした。


    少田です。
    ちなみに僕はE療センターからの途中入局です。


    白島です。
    僕も短崎大学からの途中入局です。







    …勝手が違う部分もあると思いますが、
    どの社会でも4月という時期は、なにかと大変なのは同じです。

    これから、システムの使い方や必要なファイルの場所、
    薬剤処方の仕方や処置のやり方…、

    そして、他科の先生やナース、技師さん、クラークさん、
    さまざまなスタッフとのやりとり…、
    不慣れなことが山積みで大変だと思いますが、
    ちゃんと慣れますよ。







    あせらず、恥ずかしがらずに、
    わからないことはどんどん先輩たちに聞いてください。
    ゲカイチはコミュニケーションを大切にしています。
    私たちが必ずできるようにサポートします。






    有下先生のいう通りです。
    コンピューターやシステムに慣れること以上に、
    患者さんに接すること、診療すること、治療することが、
    我々の最大の務めです。

    そのためには、
    コミュニケーションに最大限に重きを置いてここでの医療に接してほしい。
    『安全第一』。
    より良い医療を社会に提供できるように取り組んでいただきたいのです。







    鉾之海です。
    僕は八州大学出身なんですが、
    手技に関してまだ不安な部分もあります。







    慌てなくても手術はできるようになるし、
    チャンスはたくさんあります。
    まずは外科医としての基本をここで身につけてください。







    そう。ここでは、常に学ぶ姿勢が大事です。
    わからないことをわからないままにしないことです。
    聞くこと。調べること。経験することが大切なんです。







    飯旺です。
    百聞は一見にしかず。ということですね!







    その通り。
    できる限り、研究会や実践のセミナーに参加して、
    知識と手技を習得するように努める。どんなことでも勉強できる。
    そう言った意味でここは最高の環境です。







    それにしても、
    早くみなさんと集合写真が撮りたいですね。
    桜島をバックに撮れたら最高なんですが…







    僕も、早く皆さんと会いたいです!







    吉能です。
    みなさんと飲み会とかもしたいですね!







    こういうご時世ですが、飲み会は大事な要素です。

    いわゆる『飲みニケーション』は、うまく使えば、
    業務での少しの言い争いや勘違い、
    かちんと来るようなことも、
    お酒で水に流せる大事なツールとなります。

    コロナ禍でなかなか難しい状況ですが、
    より良い環境を構築するためになんとか工夫していきましょう!






    僕も積極的に工夫します!







    …飲み会もいいですが…
    桐野くん、さっきの資料のここ…
    間違ってませんか?







    あ、目次が1ページずつ間違ってる…。

    このまま出力するところでした。
    半田先生の近くでフィニッシュ作業やってよかった…。







    …こういう感じで、
    医療のために、ゲカイチでは
    密なコミュニケーションを大事にしているんです。








     新入局の先生たちが一斉に笑った。






    ゲカイチフッタ

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