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  • ショートストーリー「ゲカイチ」
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    オンライン診療の幕開け。






     

    う〜今日は少し冷えるなぁ…








     

     高台にある鹿児島大学病院では、季節の移り変わりを早く感じる。
    ついこの間までの、ジリジリとした日差しが嘘のように風が涼しい。

     薄手のシャツと白衣だけでは物足りない。あっという間に冬になるだろう…。
    この前ネットショップで買った新しいコートは今日あたり届くだろうか。
      本当に便利な時代になったものだ。
     







     

    桐野くん…今日は冷えるね…。
    君も教授に呼ばれてるんだろ。
    さぁ、体が冷える前に研究室に急ごう








     

     半田先生に急かされるように研究室に向かうと、
    PCの前に座った凸瀬先生の周りを囲んで、たくさんの先生がメモをとったりしていた。






     

    教授…これは…?







     

    うん、これがコロナ禍時代の次世代の診療だよ。
    今、オンライン診療の本格的な実用化に向けて
    シミュレーションしているんだ









     

     凸瀬先生の席から離れたところで、研究室スタッフの大原さんが受け応えしている。






     

    今日は、ZOOMを使った診察のシミュレーション。
    もちろん他のソフトでもやり取りできるのよ!





     

    テレビ通話のソフトによっていろんな特性があるから
    慣れておかないといけないからね







     

    まずは、自宅で体温・血圧を測定してもらって、
    症状や生活歴、既往歴をきくんだ






     

    採血などはどうするんですか?







     

    担当医が検査が必要と判断した際は、
    そのつど、採血をしてくれる施設へ訪問。
    採血の場合、看護師が訪問して採取するんだ








     

    あ、桐野くん。
    こちらは、今度入局する予定の
    飯旺先生と…吉能先生。

    東川先生はわかるね。






     

    あ、はい!
    はじめまして。桐野です!
    僕も入局考えてます。
    これからお世話になります!






     

    飯旺です。
    噂に聞いている通りだね。






     

    噂…ですか…






     

    うん、ゲカイチのマスコットだってね(笑)

    …はじめまして吉能です。
    東川先生、桐野くんを知っているんだ?






     

    うん、そうなんだ。ちょっとしたレースをね…(74話参照)

    そうそう、桐野くん。オンライン診療での超音波検査は
    携帯式の超音波検査キットでファーストタッチを行うらしいよ






     

    ちなみに…僕は、もう入局を決めているんだ。

    吉能先生、東川先生…。
    ね!一緒に入ろうよ!







     

    う、うん…そうだね。








     

     こうやって、若手の先生が集まるということは、ゲカイチが注目を集めている証拠なのだろう。

    ヨシ!人は第一印象が肝心。いろいろ質問してやる気をアピールだ!







     

    …となると…
    レントゲンなどは…






     

    うん、レントゲン検査は、検診車などを使って、
    できるだけ出向いて撮影する予定ですよ。






     

    胃カメラやCTやMRなどは、
    必要な時に限り、病院に受診する。
    という方式だね






     

    その後、診断に応じて薬剤処方。
    受け取りはコンビニのような近くの施設やお店でOK!
    というわけ!






     

    すごい!
    便利ですね!






     

    さらに…他の病院や他の先生の受診が必要と判断したら、
    同じようにPCでの対面式の方法で受診する。
    そうすれば、患者さんの負担は少なくなる。






     

    たとえば、高齢者などの場合、
    大きな施設へ向かうのは大変だし、
    僻地や地域の偏在の解消にもなる。
    病院へ出向く手間の緩和は大きなメリットだね






     

    そして何より、密にならずにすむから、
    感染リスクが軽減するのも大きい






     

    外来待合の混雑の解消や、
    駐車場、交通渋滞の軽減にもなるしね!






     

    そう、患者さんの病院受診のしやすさがグッとあがります。
    まだ、世界的にも本格的な実用化が確立されていない診療方法ですから、
    できるだけ誤診を少なくする仕組みを作らなければいけません。

    病院側だけでなく、
    患者さん側の通信環境などのいろんな問題を、
    はやく整備することが必要ですが…

    スマホも普及している現在、
    次世代の診療方法の光は、
    だんだん見えてきてるような気がします。






     

    セキュリティも大事ですよね!






     

    その通り。大原さん鋭いね!
    厚生労働省では『医療情報システムの安全管理に関するガイドライン』を発行して
    多様化・巧妙化するサイバー攻撃の医療機関向けの対応策をまとめています。

    遠隔診療サービスに関わる各社もそれに沿って
    不正アクセス等から秘密情報を守るため
    積極的に対策に取り組んでいます。






     

    今後カルテは、マイナンバーカードのように
    双方向が一斉管理された部署で管理されるようになるらしいよ!






     

    完全電子化されたカルテだから、
    これまでの受診歴が閲覧できる。
    これまでかかった病気、投与された薬剤や副作用なども一目瞭然というわけ!






     

    レントゲンやCTなどの画像も、
    画像システムにアクセスすれば、
    普通にPCやスマホで見られるんだよ!






     

    とはいえ…カルテは個人情報。
    セキュリティはしっかりしながらも、
    個々人が自由にアクセスし、見られるシステム。
    これが優先事項です。






     

    そもそもカルテとは、
    医療従事者が患者さんに変わって
    病気の日記を書いているようなものですからね。

    体に関するすべての情報が瞬時にみられる。
    というのは患者さんにとっても大きなメリットですよね!






     

    その通り!
    現在のように、紹介状のやり取りやデータをコピーしてCDに移したり、
    本人に持参してもらったり、郵送したりが一切不要。
    というのもメリットですね。

     たしかに、より一層のセキュリティは求められますが、
    『ゆりかごから墓場まで』世界中、全人類のカルテが一元化されて、
    多くの情報が瞬時に得られる。
    というのは魅力です。






     

    コロナ禍がきっかけとはいえ、こういうのもなんですが…
    なんだかワクワクする気がします…






     

    オンライン診療が実用化されれば、
    感染や癌だけでなく、他の疾患の流行対策、薬剤の効果など、
    いろんな病気にすばやく対応できる。

    『医師にも患者にもやさしい時代』が
    もうすぐそこまで来ているんですね…。







     

    そう…そういった日が来るのはそう遠くはありません…。

    東川先生、吉能先生がゲカイチに決めてくれたら…
    そうすれば、飯旺先生とともに、 通信技術をつかった
    遠隔の外科手術の実用化も現実のものに…。
    あぁ…すばらしいです…。







     

    …は、はい!








     

    「オンラインで必要な情報とモノがすぐ受け取れる」…。

    なんだか…ネットショッピングみたいな便利さですね!







     

    …桐野くん…

    それはちょっと違うかな…








     






     

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