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    フィラデルフィア留学報告

     

    フィラデルフィア留学報告


    貴島 孝です。
    私は2017年10月よりアメリカのペンシルベニア州フィラデルフィアにあるペンシルベニア大学獣医学部Biomedical science、Avadhani Labに基礎研究者として留学しています。
    所属している研究室は獣医学部ですが、主な研究テーマは食道のMitochondria DNA異常になります。
    また医学部のGastroenterology、中川裕先生の下でも研究をさせていただいており、
    様々なBackgroundを持つGenetic mouseに発癌物質を投与し、食道扁平上皮癌の発癌機序の解明や3次元培養を用いた早期診断、評価の研究をしています。

    ↑Philadelphiaの市庁舎。アメリカ建国時の首都であり、歴史を感じる建物が多くあります。






     まず私の経歴ですが、初期研修終了後に鹿児島大学消化器、乳腺甲状腺外科へ入局、3年間の臨床経験を経たのちに大学院に入学しました。大学院時代は胃癌、食道癌を中心に研究を行い、2017年9月より現在のLabに研究留学をしているという流れです。
     留学については医局に入局した時から漠然と興味はありましたが、具体的に意識し始めたのは鹿児島大学消化器外科とペンシルベニア大学Gastroenterologyとの共同研究が始まり、ペンシルベニア大学に見学に行ったことが大きなきっかけとなりました。
     多国籍なメンバーからなる研究室でバリバリ働き、英語でCommunicationをとる先輩の日本人研究者の姿を見て、とてもかっこよく、自分もこういう風になりたいと強く意識するようになりました。
     その後共同研究がうまく進み、その延長上でペンシルベニア大学に留学をさせていただくことになりました。





    いまアメリカに留学して1年が経ちました。
     1年を振り返り留学して最も良かった点は、日本以外の国で生活することで多くの価値観に触れ、物事を以前より幅広く考えるようになったことです。
     今までは日本というフィルター越しに、日本の中で物事を考えていましたが、アメリカでは世界の中の一人の人間として様々な考え方、人生観があることを学びました。実際University of Pennsylvaniaには世界中から多くの人々が研究、仕事をするために来ています。
     特に中国、インドからの留学生の多さには驚かされます。
     いまアメリカに研究を学びに来ている多くの研究者たちが将来母国に帰り、研究室を開いて研究を発展していくであろうことを考えると、我々ももっと頑張らねばと感じます。
     英語を第二言語としている国の人の多くが英語を習得し、流暢にCommunicationをとっているのをみると自分も含めひしひしと危機感を感じます。
     英語を学ぶ意味は、日本以外の国の人とCommunicationをとり、お互いを知り、仲良くなるために必要であるということがわかり、テストのために英語を勉強していた学生時代に英語の勉強する意味を知ることができればよかったと実感しました。
     国という概念を超え、肌の色や宗教、出身地に関係なく人間はみな同じであるということを感じることができるのはアメリカという国の多様性のおかげでしょうか。
     ただ、現状はきれいごとでは済まず特に近年非常に多くの問題を抱えていますが、それも含めて知ることがとても貴重な体験となります。

    ↑University of Pennsylvaniaは1740年に創設された歴史の古い大学です。
    国試頻出である臨床外科手術の有名な絵画:「The Agnew Clinic」はPennsylvania大学で行わた講義の様子を描いており、大学構内で絵画を見ることができます。







     また、日本からも様々な企業の方や他分野の研究者が来ており、日本ではなかなか知り合うことのできない方と交流する機会があります。
    新たなNetwork作りも留学の醍醐味かと思います。研究についてはよりMechanicalな視点を追求し、Descriptiveな研究の次を考えるように努力していますが、なかなか思う通りには進まず道半ばという感じです。
     なお、フィラデルフィアについてですが、アメリカの北東部に位置しアメリカ合衆国が独立した際の首都になります。
    人口は全米で第5位と多く、アメリカの歴史に関する多くの博物館や美術館などがあり文化的な街です。
     緯度としては日本では岩手と同じ程度になりますが、昨年は寒波が来たため最も寒い時で日中の最高気温が-10度、最低気温が-15度と、鹿児島ではとても経験できない極寒を経験しました。
     ペンシルベニア大学は臨床の病院の横に、同規模の大きな基礎研究の建物が複数あり、基礎研究が日本に比べて優遇されているように感じます。実際Grantの金額の大きさ、種類の多さ、また各国からくる研究者の多さは日本とは比べてもはるか先を行っている気がします。
    その分常に競争があり、研究費が取れずに研究室の人員を減らし、最終的に研究室を閉めるという話はまれではありません。
     また、毎日どこかでLectureやmeetingがあり、新たな知識を取りいれ、Collaborationで仕事を進めていくことで大きな仕事が成り立っているということを実感します。

    ↑巨大なBuilding(病院)が数多く立ってます。Research部門だけでも多くのBuildingがあり、Researchに対する資金力、人の多さを実感します。






     もちろんトラブルはつきものです。
    電話口での英語での対応の難しさ、家のトラブル、ファーストフード店で英語が伝わらず、店員の人が不機嫌になったりすることはよくあります。打たれ強くなり、鈍くなった気がしますが、何事も経験と思いLet’s tryと思えるようになりました。
     一人の人間として、留学は日本では決して経験することのない様々なことを感じ、学ぶことのできる機会だと思います。
    今後海外に興味のある人や留学に興味がある人はぜひともChallengeすることをお勧めします。

    ↑インド出身のBossであり、LabはBossを含めてインド出身者が6名、アメリカ出身が1名、日本1名と、まるでインドにいるような感じです。




    ↑New Yorkまで車で2時間でつきます。New Yorkは常に刺激的な街です。




    ↑カナダとの国境にあり、多くの観光客でにぎわっています。スケールの大きさに圧倒されます。






    2018-11-08 23:00:08

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