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    医局長 迫野先生の備忘録






    桐野

    7月10日(火) 総会前日---------------


     明日、いよいよ日本消化器外科学会総会が幕を開ける…。
    3年前、静岡県浜松の地にて「50周年の記念大会となる2018年度の担当は鹿児島で!」と決まってから、ちょうど3年。
    今から思うと、あっという間だった。

     2016年の徳島。そして、昨年の金沢。どちらも思い出深いとても素晴らしい総会だった。
    素晴らしければ素晴らしいほど、プレッシャーが重くのしかかったのを昨日のように覚えている。

     今回は消化器外科学会発足50周年の記念大会。
    全国からお呼びした重鎮の先生方や海外からお招きした先生方など、ぞくぞくと南国・鹿児島の地に降り立たれた。

     3日ほど前まで降り続いた梅雨の雨がぱたりと収まり、
    今回の日本消化器外科学会総会を歓迎するかのように南九州の梅雨明けが発表された。
    江良井教授をはじめゲカイチの先生方の日頃の行いが幸運を運んできてくれたのかもしれない。

    でも、桐野くんあたりは


     

    僕が、晴れ男だから天気に恵まれたんですね!桐野



    なんて言いそうだな(笑)。

     テレビのニュースでは、西日本を中心に発生した集中豪雨による甚大な被害を伝えている。
    多くの尊い命が失われるという惨事が起きたことは、医療に携わる者としてとてもやるせなくなる。
    あらためて追悼の念を表し、災害に合われた方々にお悔やみ申し上げ、
    一日も早い復興を祈念申し上げたい気持ちでいっぱいだ。

     桜島も、ここ最近活発化。桜島が来賓のお出迎えをしていたのかもしれない。
    だが、明日からはちょっとだけ静かにしておいてほしい。





    桐野

    7月11日(水) 総会1日目---------------


     一歩外に出れば汗が吹き出す暑さ。南国・鹿児島も一気に夏を迎えたようだ。
     鹿児島のシンボル桜島をきれいに見渡せる「城山」が今回の総会の舞台。
     学術的なプログラムも順調に進み、昼からは特別企画として「明治維新150周年と西郷どん」というタイトルで、鹿児島の英雄である西郷隆盛さんと島津斉彬公、お二人のご子孫による対談が行われた。

     島津さんの薩摩琵琶に始まり、歴史的な内容はもちろん本学会のタイトルである「心技の継承」にまつわるお話をそれぞれ賜る。ユーモアを交えながら大変含蓄のあるお話を聞くことができた。1時間半があっという間だった。

     風が心地よくなってきた夕方からは、日本消化器外科学会創立50周年記念式典が厳かに行われた。
    その中でも、拡大プログラム委員会の中で演奏を披露された吉俣良さんのピアノの音色は非常に華やかだった。

     1日目は無事に終わった。
    程よい緊張感と高揚感が続いたせいか、いつもの芋焼酎が身体に染みる。
    さて、明日は早朝から桜島でファンランが開催される。
    私は見学の方だが、寝過ごさないように今日は早く眠りにつこう…。






    桐野

    7月12日(木) 総会2日目---------------


     早朝6:30過ぎ。
    朝早くにもかかわらず、桜島に150名を超える方々が集まり、溶岩道路をそれぞれのペースでランニングしていた。
    皆さんとてもいい笑顔で走られていたが、
    この企画の発案者で担当の、半田先生のうれしそうな笑顔がとても印象に残っている。
     
    そうそう、桐野くんも桜島ファンランに参加していた。
    ランニングというよりもウォーキング。
    ウォーキングというよりも散歩と言った方が良いような感じだったが、とても楽しそうにしていた。
    何事にも明るくチャレンジする気持ちが、周りの先生方から可愛がれる秘訣なのかもしれない。

     昼間の学術的な討論の合間のつかの間の息抜き。
    清々しくゴールされる皆さんを見ていたら、少しだけランニングしたくなった。
    今度、こっそり半田先生にランニングのトレーニング方法を教えてもらおう。

     午前中は、梅雨明けの夏空が広がっていたにもかかわらず、
    ちょうどお昼を過ぎたころから、どんよりとした雲の重なりが増え、青い空が消え去り、桜島にも傘がかぶり始めた。


     今回のメインイベントとも言える、全員懇親会。
    オープニングのリハーサルを行っている頃、ぽつぽつと雨粒が頬に落ちてきた。雷が鳴り始め、あっという間に本降りに…。
     もうすでにケータリングの食事は届いており、今からでは代わりの場所もない…。
    雨が止むか小降りののままでいてくれるのを祈りつつ、最悪のケースを考えた場合の対応などを検討する。
     コンベンション担当の方の「傘をたくさん購入するように!」と言う指示や
    濡れたら損傷してしまう物の回収の指示が飛び交うなど、
    全員懇親会の会場であるウォーターフロントパークが騒然と。

     全員懇親会の開場5分前。
    一縷の望みを持って、諦めずに準備を行っていると、先ほどまでの雨が嘘のようにパタリと止んだ。

     しかも、桜島も輪郭がくっきりと見えはじめるだけでなく、
    全員懇親会開催を祝う号砲を上げるかのように南岳が爆発をするという大サービス。


    んー…、江良井教授は『持っている』…。

    桐野

     




    ----------------
     江良井教授・作詞、前里准教授・作曲の第73回日本消化器外科学会総会テーマソング
    「春夏秋冬 〜We are the surgeon.〜」を、
    医局のバンドメンバーと学生のコーラスメンバーとともに素晴らしい演奏を披露できた。

     プレミアム焼酎も取り揃えた200本以上の芋焼酎、
    日本一に輝いた鹿児島黒牛のサイコロステーキなど、とても好評をいただいた。

    鹿児島の食という一つの魅力を参加していただいた皆さまに伝えられたことがとてもうれしい。








    桐野

    7月13日(金) 総会最終日---------------


     昨晩の全員懇親会を盛大に開催できた達成感という余韻と心地よい疲れを感じながら、会場へ向かう。

     ビデオシンポジウムやパネルディスカッション、招待講演など最終日も様々な学術的プログラムの開催。
    そして、最後の閉会式。すべてのプログラムが終わり、スタッフ全員による記念撮影が行われた時、目頭がとても熱くなった。

     静岡県浜松の地から3年。
    みんなで知恵を出し、意見を言い合って作り上げた第73回日本消化器外科学会総会。
    総会開催に関わった一人ひとりの知恵と努力が、大きな実を結んだと言っても過言ではないと思う。

    そして、何よりもご臨席を賜った関係者の皆さま、鹿児島にお越しいただいた多くの先生方に感謝の気持ちを伝えたい。

    ------本当にありがとうございました。------








    ---------------追伸---------------


     昨年と今年の医局旅行で、
    『今回の日本消化器外科学会総会の全員懇親会で桜島大爆発が起きる。』
    というストーリーでの演劇を作成した。
     今回の直前の大雨で、それが現実のことのような錯覚に陥ったが、
    開会中は天気にも恵まれ、真逆の展開。
    医局長としても、本当に安堵した「よか晩」となった。


     ちなみに、総会が終了した2日後、
    上空4600mまで達する桜島の噴火があり、鹿児島市内は一面灰まみれに。

    やはり……、

    桐野

     


    『江良井教授は持っている』…。



    ……いや、『ゲカイチは持っている』。
    つまりはそういうことなんだろう…。












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