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  • ショートストーリー「ゲカイチ」
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    今、鹿児島がアツい!!






     医局へと続く廊下を迫野医局長と後谷先生が大きな荷物を運んでいる。



    桐野

    お手伝いしますよ!






    桐野

    おっ!桐野くん、悪いな!



    桐野

    助かるよ!






    桐野

    いえいえ、いつもお二人にはお世話になっていますから。







    桐野

    桐野くんも口がうまくなってきたな。








     思っていたよりも重量のある荷物を、やっとの思いで医局長室に運び込ぶ。








    桐野

    いやぁ〜、桐野くん。本当に助かったよ。






    桐野

    何かあったら、いつでも言ってください!







    桐野

    ありがとう!頼りにしてるよ!






    桐野

    それにしても…この荷物、何に使われるんですか?






    桐野

    これはね、夏に開催される学会で使用するんだよ。






    桐野

    あっ!日本消化器外科学会ですか!





     



     今年の夏に開催される、日本消化器外科学会学術集会(Vol.44参照)の準備がいよいよ佳境を迎えている。

     今年は消化器外科学会50周年記念大会も兼ねているため、日本全国から外科医の先生方をはじめたくさんの方々が鹿児島に集まる。
       



    桐野

    全国からおよそ7,000名の外科医が集まるって言われている大きな学会が、
    明治維新150周年や、大河ドラマ『西郷どん』などで
    注目を集めている鹿児島で開催されるって、なんだか巡り合わせを感じるね。







    桐野

    全国の方々が鹿児島に目を向けている時に学会が開催されるって、
    とても光栄なことですよね。






    桐野

    ですね!






    桐野

    そうそう…!桐野くん…
    今回の学会のタイトルは覚えてるよね?






    桐野

    …タ、タ、タイトルですか(汗)!
    …も、も、もちろんです…






    桐野

    今回のタイトルは江良井教授のご提案だから、
    もちろん覚えているに決まってるじゃないか(笑)!










     いつもとは違うプレッシャーが襲う。
       





    桐野

    えー……『春夏秋冬 ~心技の継承~』です…よね?








     迫野医局長と後谷先生が僕の後ろの方を見ながら、必死に笑いをこらえている。
    やばい間違った …?なんて思っていると背後から江良井教授の声が聞こえた。
       






    桐野

    桐野くん、お見事!正解です!








     突然の登場に、その場に座り込みそうになる。



       



    桐野

    教授!驚かさないでくださいよ〜






    桐野

    はははははは。申し訳ありませんでした。
    桐野くんがあまりにも不安そうだったので、ちょっと驚かそうと思いまして。






    桐野

    …。
    本当に勘弁してください…






    桐野

    ははははは。
    ところで、今回のタイトルに決めた理由って何なんですか?






    桐野

    ええ…このタイトルには、
    時代をつなぎ伝統を引き継ぐ、
    心技の継承という想いが込められているんですよ。






    桐野

    なるほど!






    桐野

    とにもかくにも、
    鹿児島へいらっしゃる方々が満足して帰っていただけるよう
    『おもてなしの心』を持ってお迎えしなければいけませんよ!






    桐野

    はい!






    桐野

    そのためには、迫野医局長や後谷先生はもちろん、
    医局員・同門の先生方が一致団結して取り組んでいただかなければいけません。






    桐野

    仰る通りですね。






    桐野

    学術部門の充実は当然のこと、特別企画や特別講演…、
    全員懇親会や評議委員会でどんなことができるのか、
    こんなことしたらいいのではないか。


    桐野

    など、みなさんで討論しながら企画を考えることが、
    将来のゲカイチはもちろん、
    先生方にとっても大きな経験になることだと思っています。






    桐野

    そうですね。






    桐野

    準備段階の今は、いろいろなところへ調査に出向いたり、
    電話でお話を伺ったり、調べ物をしたり、様々な会議に出席したりなど、


    桐野

    日々の忙しい業務の中で負担をおかけしているかもしれませんが、
    きっとこの経験が役に立つ時がきますから、
    もうしばらく皆さんのお力をお貸しください。






    桐野

    はい!!!






    桐野

    おっ!いい返事だね、桐野くん。






    桐野

    …で…、
    早速なんですが、


    桐野

    桐野くんには2日目の夕方に開催される
    『全員懇親会』を盛り上げるアイデアを
    そろそろ出していただきたいのですが…?






    桐野

    …あっ…!






    桐野

    お願い…して…ましたよね…?






    桐野

    あれっ!桐野くん、確か…
    『皆さんの記憶に残るような催しができるよう、おもてなしの心でがんばります。』
    って言っていたよ?ね(笑)。(Vol.44参照)






    桐野

    え。えぇ…。
    大丈…夫…です。






    桐野

    全員懇親会は皆さんが楽しみにしているから責任重大だね!
    まぁ、桐野くんなら大丈夫!






    桐野

    あ…あ…ありがとうございます…。






    桐野

    では…そういうことで。
    桐野くん、よろしく頼みますね!











     そう言い残し、江良井教授は教授室へと入っていった。









       



    桐野

    ど。ど。どうしましょう…!
    アイデアがまったく浮かばないんですよ………。






    桐野

    そだね〜。
    う〜ん、じゃあ今回の全員懇親会を中心になって取り仕切っている
    大蔵先生に相談してみるのはどうかな?






    桐野

    それはいい考えですね!
    大蔵先生ならさっきまで医局にいらっしゃったしね!






    桐野

    ありがとうございます!早速、お話を伺ってきます!






    桐野

    がんばってね!









     善は急げ!
     焦る気持ちを抑えられず、自然と駆け出していた。
       







    桐野

    桐野くん!そっちは逆方向じゃない?






    桐野

    え。…あ!…大丈夫です。









     と言いながら、さりげない振りを装って方向転換してみる。
       







    桐野

    医局内で走らない!






    桐野

    え。…はい。…大丈夫です!





     (次回へ続く)
       






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