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     2013年12月ごろから西アフリカにて流行しはじめたエボラ出血熱は,2014年,西アフリカを中心に大流行をきたし,多くの死者を出すというという深刻な事態をもたらしています.厚生労働省はエボラ出血熱に関する資金協力や感染対策を実施し,幸いなことに日本には感染が見られていません.しかし,不測の事態に備える必要性は今後も続くと考えられます.
     鹿児島大学がエボラ出血熱を含む危険性の高い一種感染症患者を受け入れる第一種感染症指定医療機関となったことは,県民を守る上で大きな意義があると思います.


     教室の1年を振り返り,本年度も大過なく過ごすことができましたことに,同門,医局の先生方に感謝いたします.
    3月には長年教室の発展にご尽力いただいた高尾尊身先生が無事に退官されました.研究面では培養系を確立され,血管新生因子など分子生物学的研究に邁進されました.
     臨床面では胆膵グループをまとめられ,後輩の育成に尽力されました.
    生命科学資源開発研究センター教授ご就任後は癌幹細胞の研究を展開され,時代を先取りしたアイデアで教室ならびに鹿児島大学を牽引されてきました.
    これらの実績に改めて敬意を表しますとともに,今後も大所高所からご指導をお願いいたします.

     4月に4名の新入医局員を迎えました.全員明るく元気があり,入局後の7月より各関連病院で外科医としての研鑽を開始しています.
    関連病院の先生方におかれましては,ご指導をよろしくお願いいたします.


     昨今の医療事情を考えますと,医療安全が重要な課題となってきています.
    病院全体での講習あるいは専門医取得に際しても医療安全に関する取得が必須になる動きがあります.

     私は吉中平次先生の後任として,病院長補佐・医療環境安全部長に拝命されました.10月には内門泰斗先生が医療環境安全部の特例准教授に任命され,着任早々めざましいご活躍で,部長である私の片腕としてすでになくてはならない存在になっています.
     4月には教室関連病院の白尾一定先生が,独立行政法人地域医療機能推進機構宮崎江南病院院長に就任されました.宮崎の医療に長年取り組んでこられた結果のご栄転で一層のご活躍を期待します.

      学術面では,橋口真征,櫻井俊秀,崎田浩徳の各先生が博士を取得,また技術補佐員の原田 綾さんが修士を取得されました.新地洋之,松下大輔,上之園芳一,盛 真一郎の各先生が学会賞を受賞されました.
    これらの勲章を励みに臨床や研究が一時も停滞することなく,一層発展していくことを期待しています.大学院生は学位の取得は必須ですが,各種の研究費や研究奨励賞などに積極的に応募してほしいと思います.

     教室主催の学会関係では2月に第7回九州大腸がん懇話会,7月に第42回九州食道癌合併療法懇話会,9月には第16回SNNS研究会を主催し,成功裡に終了することができました.
    ご協力いただきました関連病院の先生方,医局の先生方,特に事務局を務めた盛 真一郎,奥村 浩,上之園芳一の各先生に心より感謝します.


     私が教室を担当いたしまして6年が過ぎ,折り返し点になりました.
    新臨床研修医制度など地方の外科医不足が大きく問題となる中で,教室員は臨床,研究,そして地域医療にと幅広い活動を継続してきていると思います.
    しかし,全国をみますと,私たちの教室より小規模でありながら,手術数,学会発表,論文など優れた業績を出している大学が多々あります.さらなる発展のために,もう一度原点に戻って見つめなおす時ではないかと思っています.そこで教室の方針として,次の五つを掲げました.

    一.人格を磨く:
    医師である前に人として常識ある態度を持つということです.

    二.医道を極める:
    外科医は総合的な力を持つと同時に,プロフェッショナルな仕事を目指すべきです.

    三.社会に貢献する:
    医師としてはすでに社会貢献をしていますが,さらに利他の心をもって社会に貢献することが大事です.

    四.後進を育成する:
    自分が経験あるいは取得した技術や才能を次世代に継承することは重要な責務です.

    五.組織力を高める:
    鹿児島から新しいアイデア,情報を発信するには大学と関連病院の組織が一体となって取り組んでいく必要性があります.

     これらは至極当然なことで,今更掲げる必要もないことかもしれませんが,しばしば忘れがちです.私自身が身を引き締めると同時に,教室の皆さんにも理解してもらい,これからも一丸となって邁進していきたいと思います.


     ところで,今専門医制度が大きく変わろうとしています.総合診療専門医が増設されることは,地方医療に恩恵をもたらす可能性はありますが,内科医や外科医が減少するリスクもあります.
    外科学会あるいは消化器外科学会の統計では,外科医の減少がみられ,特に地方では顕著です.
     鹿児島大学では専門医制度に関して,外科系各講座が良質のカリキュラム,プログラムを作成しようと一同団結しています.今後は外科系各診療科の垣根を越えた協力体制が必須です.将来の若い世代の外科医の育成を考えるとき,鹿児島県内でまとまっていくことが,地方外科医療の安定と患者さんに貢献できるのではないかと考えています.
     外科を志す前期研修医の県外への流出防止や,県外で働いている後期研修医が鹿児島に戻ってくることを期待したと思います.同門の先生方にもご協力をよろしくお願いしたいと思います.


     診断,手術手技,治療を含む臨床研究あるいは基礎研究に関して,何かを成し遂げようと意図(Intend)した時,まず過去に何が行われてきたか,今どこまで進んでいるのか,何が解決されていないかを,調査・研究(Investigate)する必要があります.
     これらの背景を十分に理解した後に,新しいアイデアで既存の概念を刷新していく(Innovate)ことが重要です.これらの一連の過程には並々ならぬ熱意が必要であり,この熱意を保ち続けることが創造に結びつくと確信します.
    今年一年,熱意をもって創造的な仕事に取り組んでいきましょう..



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