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  • ショートストーリー「ゲカイチ」
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    モチベーション




     新しい年がはじまった。

     新年を迎えたゲカイチは、いつもの忙しさがウソのように落ち着いた雰囲気に包まれている。

     半田先生から言われ、今日のカンファレンスに必要な資料を取りに医局へ向かう。
    手早くカンファレンス資料をまとめ、カンファレンスルームへ向かおうとしたその時、
    テーブルの上に置いてある医学新聞を目にした。
    少しだけ時間があったので、何気なく読み進める。
    ゲカイチの高島先生のインタビュー記事を見つけた。

     その記事には、高島先生が取り組まれている研究について紹介されていた。



     

    桐野

    桐野くん、カンファレンスの準備はバッチリですか?





    桐野

    あっ!はい。





    桐野

    もうすぐカンファレンスが始まりますよ。





    桐野

    ですね。



     




    半田先生が僕が手に持っていた医学新聞に目をやる。







     

    桐野

    高島先生の記事、載ってたね。






     
    桐野

    もう読まれましたか。
    医学新聞に載るなんて、すごいですね!






    桐野

    そうだね。この前はアメリカの大学に
    実験の手技の勉強にも行ってきたみたいだしね。






    桐野

    そうなんですか?







    桐野

    桐野くんはアメリカ土産のお菓子もらわなかった?







    桐野

    そういえば!机に置いてありました!
    あっ、ちゃんとお礼を言ってなかったです。






    桐野

    カンファレンスが終わったら、研究室に行ってきたら?






    桐野

    はい!










    カンファレンスは無事に終わり、その足で研究室へと向かう。
    研究室のドアをノックし開けると高島先生は顕微鏡を覗いていた。






     

    桐野

    お忙しいところ、失礼します!







     

    高島先生が顕微鏡から目線を外し、こっちを見る。




     



    桐野

    あれ、桐野くん。どうしたの?







     
    桐野

    先日はアメリカのお菓子ありがとうございました!


    桐野

    それと、先生の新聞記事読みました。
    医学新聞に載るなんてすごいです!







     
    桐野

    いやぁ、ありがとう。







     
    桐野

    記事を読んで改めて高島先生の研究に対する熱意が伝わりました。







     
    桐野

    本当に?!うれしいこと言ってくれるね。







     


    高島先生は、手術中に膵癌患者の腹水中にあるがん細胞を取り出してその性質を分析することで、
    将来的な癌による腹膜播種(お腹の中にがん細胞が散らばること)の可能性について研究されている。

    この研究は、近い未来にがんの個別化治療(オーダーメイド治療)へと繋がる
    大きな可能性を持つと言われている。




    桐野

    もともと、学会で発表した時に新聞記者の方が
    この研究に興味を持っていただいたみたいなんだ。


    桐野

    普段は朝から晩まで実験室にこもって、
    細胞の培養や切除した組織の染色とか、日々研究に没頭しているから、
    こんな風に自分がやっている研究に
    興味を持ってもらえるのはとてもうれしいよね。


    桐野

    いま、手術中に膵癌患者の腹水中にあるがん細胞を取り出して、
    その性質をを分析することで、
    将来的な癌による腹膜播種の可能性について分かってきたんだよ。


    桐野

    この研究が近い未来にがんの個別化治療に繋がれば。
    と考えているんだ。


    桐野

    ノーベル賞に刺激されたわけじゃないけど、
    どんな環境でも熱意があればちゃんと道は開けるんじゃないかな。







     
    桐野

    はい!







     
    桐野

    それに…実験は大変だけど、
    調整次第でまとまった休みもとれるから、
    家族サービスもできるんだよ。


    桐野

    週に1回は医局の出張病院で臨床の勉強もできるし、
    一定の収入もあるから、大学院の2年間で様々なことが学べる。


    桐野

    …こんな風に研究に没頭できるのは
    ゲカイチの恵まれた環境のおかげだって思ってるよ。







    桐野

    なるほど…。








     
    桐野

    さすが、高島先生!
    でも、高島先生の熱意があってこそですよ!








     
    桐野桐野

    !!!!!!!!

    江良井教授!いつからいらっしゃたんですか!?







     
    桐野

    いやいや、私も新聞記事を読んで、
    高島先生におめでとうの言葉をかけようと思いましてね。







     
    桐野

    そうなんですか。







     
    桐野

    教授、ありがとうございます。







    桐野

    医学の発展には手術方法の開発や向上はもちろん大切です。


    桐野

    しかし、それ以外にも生体での癌の浸潤・転移機能の解明・
    治療効果をさらに予測するための新たな手技の開発や
    新たな薬剤感受性試験の開発のための基礎実験など多くの課題があります。


    桐野

    医学の進歩には、基礎的な研究の推進がとても重要です。


    桐野

    ノーベル生理学・医学賞を受賞した
    京都大学 iPS細胞研究所の山中伸弥教授のように、
    医学の進歩を支える一役になれることを目指して、
    これからも研究を続けてくださいね。






     
    桐野

    がんばります!






     
    桐野

    医学の発展のためになる研究は、
    ゲカイチとしても全面的に支えていきますよ!







    桐野

    ありがとうございます。
    先日も海外の大学との共同研究として、
    アメリカの大学に実験の手技の勉強に参加もさせていただきました。







    桐野

    そうでしたね。
    アメリカの大学はいかがでしたか?







    桐野

    アメリカの大学では日本人の留学生など、様々な研究を
    世界中から集まった先生方と共同で進めることができ、
    とても刺激を受けました。


    桐野

    特に海外の先生方の熱意を直に感じることで、
    僕ももっともっとがんばろう!
    ってモチベーションが上がりました。







    桐野

    それは、良かったです。
    これからゲカイチはアメリカの大学との共同研究を進めていきますので、
    さらに活躍の場が広がると思いますよ。







     
    桐野

    アメリカの大学との共同研究ですか?!







    桐野

    そうですよ。
    アメリカはもちろんアジアやヨーロッパなど、
    最新の研究を行っている海外の大学と共同研究をすることで、
    医学の発展につながりますからね。


    桐野

    高島先生はもちろん桐野くんも、
    世界で活躍する外科医になれるよう、
    これからもがんばってくださいね。







    桐野桐野

    はい!







     


    世界で活躍する外科医…。
    外科医にもいろいろな道がある。着実にがんばればおのずと道が開ける。
    ということか…。

    そういえば、 iPS細胞を発見した山中教授も
    最初は整形外科の臨床をした後、研究の道に入ったと聞いたことがある。

    うーん…。将来は山中教授のように、
    世界が驚くような進歩に貢献できる研究者。
    っていう道も悪くないかもしれないな…。






     

    桐野

    ん? 桐野くん? 妄想タイムかな(笑)。





     
    桐野

    あ! いえ!(笑)






     

    ………小さなことからコツコツと。


    まずは、今日のカンファレンスの資料のコピーからはじめるとするか…。







     

    ゲカイチフッタ

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