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     2017年は国内外で様々な政治の動きがあった年でした.アメリカでは1月にトランプ氏が第45代アメリカ合衆国大統領に就任し,アメリカ第一主義(アメリカファースト)を打ち出しました.本邦では,小池都知事が都民ファーストを掲げ,「希望の塾」を設立後,塾生を都議会選挙に擁立し圧勝しました.しかし,第48回衆議院総選挙では民進党と希望の党の統一の際に,小池都知事の“排除する”の一言が,民進党の一部議員に反発を招き,大敗しました.言葉の大切さを学んだ気がしました.また,今日の日米韓と北朝鮮の状況も決して楽観できず,早く落ち着いて欲しいと思います.



     教室関連の出来事では,4月に4名の新入医局員を迎えました.全員背が高く体格に恵まれ,今後の活躍が期待されます.4月15日には恒例になりました外科4科の第3回拡大外科同門会を開催いたしました.宮崎大学の中村都英教授,長崎大学の江口 晋教授に各県での外科の状況を紹介いただきました.地方の外科医療が厳しい中,両大学での学生,研修医教育や新人外科医獲得の工夫が参考になりました.

     私は4月から鹿児島大学病院長を拝命し,大学病院の運営・管理にあたっています.鹿児島大学病院の再開発計画は順調に推移し,平成22年6月の新中央診療棟の竣工に引き続き,平成25年7月に竣工したC病棟へ12月末に約半分の病床を移転しました.現在の外来棟とC病棟のあいだに新しくB棟の建築を平成27年8月に開始し,平成30年1月に竣工しました.次いで現在の東および西病棟を壊して,外来と病棟を併せ持つA棟を新築する計画も進んでいます.又木雄弘先生が再開発室長として,内門泰斗先生が医療環境安全部の安全管理部門長として活躍され,大変助かっています.
     6月2,3日に第41回日本リンパ学会を鹿児島で開催いたしました.過去には西満正先生が昭和63年に第12回,愛甲孝先生が平成11年に第26回の本学会を開催され,18年ぶりの開催でした.「リンパ系を多面的に解く」というテーマのもと,リンパ球,リンパ免疫,リンパ液,リンパ浮腫,リンパ管,リンパ流,リンパ節転移の観点から多くの演題を発表していただき,成功裡に終えることができました.同門,関連病院の先生方のご支援に,この場をお借りして御礼を申し上げます.
     7月からは霧島医療センターの風呂井病院長,旧第2外科の井本教授の許可を得まして,霧島医療センターに,教室より2名の派遣を開始いたしました.外科医の数が減少する中,集約化をすることで,外科医のQOLと技術を磨く症例数の確保,救急への対応をオール鹿児島外科の協力体制のもと構築していきたいと考えております.

     これまで6年間寄付講座として運用してきました分子応用外科学は寄附講座の期限が2017年6月で終了しました.新たな寄附講座として7月に,がん病態外科学講座を開設しました.中外製薬,新日本科学,聖医会サザンリージョン病院の寄附によるものです.この場をお借りして厚く御礼を申し上げます.なお特任准教授に有上貴明先生が就任しました.11月1日付で前村公成先生と,喜島祐子先生が,鹿児島大学病院診療教授に就任いたしました.また12月1日付で又木雄弘先生が鹿児島大学病院特命副病院長(病院再開発担当)に就任しました.3人ともこれまで頑張ってきた結果ですが,今後も益々の活躍を期待しています.

     さて,現在の留学はアメリカに2名(大久保啓史,貴島孝先生),国内に1名(鶴田祐介先生)です.教室の若い先生方にはできるだけ留学のチャンスを与えたいと考えています.海外からの留学生は2名であり,パキスタン出身のモハメド先生が大学院の3年生,ネパール出身のネパール先生が大学院の1年生として研究に邁進しています.
     今年度は5名の先生方(前田光喜,松下大輔,田辺 寛,出先亮介,米盛圭一先生)が学位を取得されました.研究の思考過程を臨床にも応用し,さらに飛躍してほしいと思います.地方の外科医不足,高齢化が進む中,大学病院や地域の関連病院の臨床の現場で教室員はとても活躍されています.この臨床力を生かして,大学にいる人のみならず関連病院の先生方も,アカデミック・サージャンとして学会発表や論文執筆にも目を向けてほしいと思います.とくに中堅以上の先生方は,出張してくる若手医師の手本となるようにお願いします.


    さて,紆余曲折を経て2018年度より,新専門医制度が開始されることになりました.一次登録が11月15日に締め切られ,7989人が登録したと報道されました.各基本領域の調整対象人数は,現時点では公表されていませんが,ある分析結果によりますと,内科では20.8%,外科では5.9%,過去の後期専攻医の平均採用実績よりもそれぞれ減少していると報告されています.都道府県別の専攻医登録者数も分析され,内科では5.47倍,外科では25.2倍の較差が見られ,専攻医登録者数の地域差が存在することが確認されています.地域の偏在,診療科の偏在など本当に改善されるのか,不安材料も多く,地方医療,特に鹿児島県のような離島・僻地をかかえるところでは益々悪化することが懸念されます.基盤学会である日本外科学会に関しては,鹿児島県は鹿児島大学を基幹病院として,鹿児島プロフェッショナル外科専門研修プログラム(通称:外科プロ)を作成して46施設と連携して進めていきます.来年このプログラムに入った研修医は9名と聞いています.一人でも多くの外科医が鹿児島県に誕生するように4外科が協力していきたいと思います.そのためにも臨床研修病院の先生方には,愛情のこもった適切なご指導をよろしくお願いします.



     2018年7月11~13日に第73回日本消化器外科学会総会を鹿児島で開催いたします.学会テーマを「春夏秋冬 -心技の継承-」としました.春夏秋冬は教室の同門会誌の題名で,人生になぞらえたものであります.人生の春は「青春」ですが,青には未熟という意味があり,将来や仕事のことを準備する時期です.夏は「朱夏」であり,人生を愉しみ謳歌する時期にあたります.秋は「白秋」と呼ばれ,人生の実りを収穫する時期になります.続く冬は「玄冬」といい,人生の中で一番の成熟を迎え,次代へと伝承する時期と言われております.サブタイトルの心技の継承は,日本消化器外科学会創立以来の50年間に築きあげてこられた諸先輩方の外科医としての心と技の教えを守りながら,新しい考え方,手技を加え,次の50年に継承していただきたいという意味を込めました.



     4000題を超える演題応募があり,全国から6,000名以上の消化器外科医が集まると予想されます.また今回,日本消化器外科学会創立50周年記念祝賀会が開催されます.明治維新150年さらに大河ドラマ“西郷どん”も始まり,鹿児島にとりましても記念すべき年になりそうです.このように素晴らしい年にいただいた本学会開催の幸運(Luck)に感謝し,教室員全員で生き生きとした (Lively) 学会にしたいと思います.そして将来,鹿児島での第73回日本消化器外科学会総会(創立50周年記念総会)が伝説(Legend)となるように取り組んでまいりたいと思います.そのためには医局・同門の先生方,関連病院の先生方と一味同心して進めていく必要があります.皆様にはご協力,ご支援の程,何卒よろしくお願いいたします.





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