鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 先進治療科学専攻 外科学講座 消化器外科学
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ゲカイチ

Vol.95

ー 新しい常識 ー





 

「あぁ…またか...」


春なのにいつもの呟きかと思われそうだが、
これだけ困難が続くとこれからもいろいろなことが起きそうな予感がして、吐く息はいつもの三倍は重い...。


予感の発端はタブレットだ。
 第6波まで続いたコロナによる制限も収まる空気が漂い、中止されていたセミナーの予定も入りだしてきたころ、そろそろ実習のメモ用に新型タブレットでも買うかと昨日の帰り道、パソコンショップに寄ったのが始まりだ。

「お買い上げありがとうございます。しかし、コロナの影響で工場が稼働してないため、お手元に届くまで最低でも半年お時間かかります…」


半年...。それで僕の新年度のやる気はいっきにそがれてしまった。というわけだ。






 

朝から、またですか…。
桐野くん、キミは相変わらずため息が多いね(笑)







あ、半田先生、いや…







五月病…にはまだ早いかな?(笑)







吉能先生まで…ハハハ…








 

昨日の帰り道でのやるせなさを一生懸命に伝える僕に影響されたのか、
先生達も顔がくもっている。






 

まぁ、当分は新しいタブレットの活躍の出番は少ないから
そんなに落ち込むこともないかもね…







あぁ…学生の実習は禁止になったからね…







学会、研究会、カンファレンスも自粛ですからね…







ええ、それどころか
若いドクターや学生の飲み会も自粛です…







う〜ん、かわいそうです!







教授!
かわいそう…です…か?







ええ…この異動の時期に、送別会、歓迎会もダメになりました!
送る気持ち、迎える気持ちがあっても伝えることができない…。
これはとても切なくてかわいそうなことだと思いませんか?







飲みニケーションって意外と大事ですからね。
近しい人とのコミュニケーションが取りづらいというのは
チームワークを大事にするゲカイチにとっては痛い事案ですね。







あぁ…大人数で大手を振って
気軽に飲みに行けるようになるのはいつの日か…







少なくとも、この丸2年間は
全くできませんでしたね…。







出会いと別れのこの季節。
一気に親睦を深められるこの文化は
我々にとって大きな武器でもありましたからね。







この洗礼のチャンスすら与えられない。
なんて、若者にとってはかわいそうとしか
言いようがないのです!








 

 海外旅行どころか、仲間とわいわい飲みに行くことすらできない世の中。
卒業式ですら参列者は限られ、マスク着用での時短開催。
もちろん、謝恩会や同窓会も、サークルの打ち上げや合格祝賀のお祝い会もなし。気が晴れる場がない。
 そういえば先日、卒業生の国家試験も終了。
通常ならこの時期は若いドクターや学生にとって一番好きなことができる時期とも言える。

 なるほど、かわいそう。という言葉も言い過ぎではないのかもしれない。








 

ZOOM飲み会がある。
と言っても、自宅で一人、画面を見ながらでは
仲間と酒を飲んで距離を縮める。
というのは程遠い気がしますね…。







まぁ、社会全体が大きく変わった。という事です。
これは、医療界や学生等に限ったことではありませんが…







正直、この新型ウイルスによる影響が
ここまで広がって、
ここまで長引くとは思いませんでしたね…







これまでも、世界を脅かした感染病…、
例えば結核やスペイン風邪などは色々ありましたが、
そのたびに、立ち向かってきました。

でも、今回のように先が見えない、
よくわからないのは人類にとって初めてでしょう。







社会のルールや常識がこんなに変わることは、そうない気がしますね…








 

 経験したことはないが、戦争などであれば、経済が冷え込んだり、新しい常識が作られたりなど社会の変革が起こるのは、なんとなく理解できる。

 だけど、たった1つの感染病が世界中にこんなに影響を及ぼすというのは誰も想像できなかっただろう。








 

ようやく、ワクチン接種や治療薬の開発で、
少し先が見えてきた感じはありますが、
本当の終息はまだまだ先といえます。

あまり言いたくはないですが、
第7波の影響がおよぶのも遠くないことでしょう。







今回のオミクロン株は非常に感染力が強くて、
第6波の波の高さが半端ないからですね…。







これ以上の社会事変ってあるんでしょうか…








 

 これまで世界の終息の原因には、世界大戦や原子力汚染、地球温暖化による食糧難、などが挙げられて来たが、この時代に爆発的感染力、致死力を持つ感染症という項目が付け加えられた。

 もし今後、これ以上の致死力が強いウイルスが驚異的にはびこるようになってきたら、今回のようなコロナ感染のようでは終わらないかもしれない。

 日常がじわじわと締め付けられるような未来。
そんなことを考えるとものすごく怖くて身震いすら出てくる。








 

スマートライフ。







え?







『新しい生活様式』…ですね。







人類の歴史をひもとけば、
災禍が起きるたびにバージョンアップされてきた新しい生活様式が、
その力を弱めて、結果的に人類の発展に貢献してきた。
ともいえます。







…人類の発展。ですか。
今日の話題はなんだか大きいですね。







あ、吉梅先生







僕は新しい生活様式、嫌いじゃないですよ?







東川先生。…というと?






うん。わかりやすい例で言えば、
zoomなどがあれば、すぐに遠くの人とリアルタイムで意見や情報をやりとりできる。
社会全体にそんな雰囲気がだんだん整ってきたことかな。







あ、確かに。
今までは遠くの人とは電話かメールでやりとりが常識だったから、
細かいニュアンスがすぐに伝わりにくいってイメージがあったもんね。







そう、それが今なら時間が合えば、
いますぐzoomでやりとりして解決しよう!ってなる。
まだまだ、完璧なコミュニケーションとは言えないかもしれないけど
確実に未来に向かってる。って気がしない?







そのうち、目の前に本人たちがいるかのように
やりとりできる未来が来るかもね。







あぁ…そうなると、遠隔地での診断にも活かせるね。







まぁ、治療や診断に関しては実際に対面しないとだけどね。







それも近い未来には
各家庭に遠隔用医療キットやシステムが揃ってる。
なんて常識になってるかもね。








なるほど。さすがは東川先生。
ネガティブな側面だけでなく、課題解決に向けて広い視野を持つ。
これもゲカイチにとって大事な考え方でもありますね。








たしかに…。とは言え…








みんなで…








飲み会したいですねー。







新しいタブレットも欲しかったです…







新しいタブレット、新入生の前で見せつけたかったんだろう?







なるほど。
せっかく新入生が入ってきたから、
できる先輩感を演出したかった…。
というわけですか(笑)







え…あ…ハイ







まぁ…私たちは今までの常識にとらわれず、
私たちが最大限にできるコミュニケーションを作っていきましょう。

自分のためだけではなく、世の中にとってまさにグローカルな視点でね(笑)








ハ…ハイ。









 

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