鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 消化器・乳腺甲状腺外科
閉じる
▲TOPページへ


閉じる
ゲカイチでは他県で外科医として活躍され、鹿児島へ戻ろうと考えられている先生方に、留学や博士号などのご要望について、医局長が直接ご相談にのっています。
>>メールで相談する

ゲカイチ

Vol.60

ー 第二の意見 ー






 病棟へ続く廊下を歩いていると、前から大量の資料を持った喜田先生(VOL.48参照)とすれ違った。



桐野

お疲れさまです。





桐野

・・・・・・・。





桐野

(あれっ?いつも明るい喜田先生が返事を返さない…声、小さかったかな…。)

桐野

お疲れさまです!






桐野

うわっ!びっくりした!






桐野

あっ!すみません。挨拶したんですけど、気付かれなかったみたいで…。






桐野

あっ、そうなの?ゴメン、ゴメン。





桐野

何か考え事ですか?





桐野

う、うん。まぁ、ちょっとね。





桐野

そうですか。大きな声を出してしまいました…。






桐野

いや、いいんだよ。こっちこそ申し訳なかったね。

桐野

実はね、担当の患者さんから診断結果や治療方針・治療方法など、
他の病院の先生の意見を聞いてみたいってお願いされてね。
その際に必要な診断情報などの資料を
どうしたらできるだけわかりやすく作れるのか考えていたんだよ。






桐野

セカンドオピニオンですか?






桐野

そう。






桐野

セカンドオピニオンを受けるためには、主治医の診断書が必要なんですか?






桐野

そうだよ。診断書がないと、また初めから検査をしなければならないし、
最初の医師(ファーストオピニオン)が何を材料に診断を下したのかわからないしね。

桐野

おまけに、新しい病院で最初から再検査するとなると、
それだけでまた時間とお金がかかる…。
それでは患者さんにとって負担になってしまうからね。






桐野

たしかにそうですね。






桐野

患者さんが納得のいく治療方針を選択することは治療においてとても重要!
その時の担当の主治医の治療方針と患者さんが思う治療方針が違うときや、
ほかに治療方法がないかを知りたいときに、
他の病院を受診するという選択肢があることは良いと思うんだ。

桐野

今はセカンドオピニオン外来を設けている病院もたくさんあって、
病気の治療についてはガイドラインがあるけど、その中でも複数の治療方法があるし、
昔よりも患者さんが主体的となって治療方法を選ぶことができる時代になってきているね。






桐野

でも、なんか自分の診断が疑われているみたいで、イヤじゃないですか?






桐野

そうかな?
僕が考えに考えて提案した治療方針には自信があるから、
セカンドオピニオンを受けた病院でも同じ治療方針を提案されたら、
患者さんも心から安心して治療を受けてもらえることができるしね。

桐野

まぁ、何よりも患者さんが納得されて
治療を受けていただくことが一番大切だよ。






桐野

その通りですね。






桐野

そう!だから、
セカンドオピニオン先になる病院への資料は、できるだけコンパクトに、
そして治療経過がしっかりとわかるような資料を作らなきゃ!
って心がけているんだよ。






桐野

なるほど!資料を作る側も一仕事ですね。






桐野

そう! そうなんだよ。
と言うことで、桐野くんにもちょっと手伝ってもらうかな(笑)?






桐野

い、い、今からですか…?






桐野

なんか都合でも悪い?






桐野

いや、今日はちょっと…






桐野

はははは(笑)。冗談だよ






桐野

(ホッ)






桐野

でも、次に何かあった時はよろしくね!






桐野

はい!次は必ず!








 その時、喜田先生を呼ぶ看護師さんの声が聞こえた。







桐野

桐野くん!その言葉、忘れないよ(笑)!




桐野

あっ、はい!





 そう言い残し、喜田先生は足早に看護師さんの方へ向かった。



患者さんに納得していただくためか…。そうだ、僕も納得して入局先を決めなきゃ。
どうせだったら、入局にもセカンドオピニオンがあればいいのになぁ…






桐野

セカンドオピニオンがどうしたの?






桐野

戸畑先生!
いつの間にいらっしゃったんですか!!






桐野

桐野くんが一人でボソボソつぶやいてたから気になって。
…で、セカンドオピニオンがどうしたの?






桐野

あっ、喜田先生からセカンドオピニオンについて
いろいろ教えていただいていたんです。






桐野

へぇ〜…





桐野

ふぅ〜む…今では考えられないかもしれませんが、
昔は治療方針に対して患者さんが選択できる余地があまりなく、
他の医師の治療方針を伺うことは裏切り行為になるのではないかと、
納得できなくても治療を受けていた患者さんもいらっしゃったみたいですしね。






桐野

江良井教授!いつの間に!






桐野

今はセカンドオピニオンで広く情報を得ることで、納得してから治療を受ける時代ですものね。
ゲカイチでも以前、ある患者さんが福岡の病院でセカンドオピニオンを受けられたことがあったの。

桐野

福岡の病院と同じ治療方針だったことから納得してゲカイチで手術を受けられ、
その後の経過も良好だったことがあったのよ。






桐野

そんなことがあったんですか…。






桐野

そう、医療行為には信頼関係が大切です。
患者さんが少しでも納得できないことがあったら、医師はわかりやすく、
そして誠心誠意の心を持って親切丁寧に説明しなければいけませんよ。






桐野

はい!






桐野

ところで桐野くん…。先ほどの『入局の』セカンドオピニオンですが、
研修医も患者さんと同様、これからの自分の進み方をどうするか?
という意味では共通の境遇にいるのかもしれません…。

桐野

患者さんのように、公的なセカンドオピニオン制度はないのでしょうが、
先輩の色々な意見を聞いたり、実際そこの医局や病院で医療を体験したりすることで、
自分にとっての道筋が見えてくるのだと思います。
しっかりと、考えて、進路決めてください!




桐野

ただ…外科は非常に楽しいフィールドだと思いますよ!!







桐野

聞かれていたんですね…。






桐野

キリノサン、何か納得できないことがあったら、なんでも聞いてください。
わたくしどもが…わかりやすく、
そして誠心誠意の心を持って親切丁寧にご説明さしあげますから(笑)。







桐野

……えっ、あっ、あの…

桐野

…ありがとうございます。






   






鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 腫瘍学講座  消化器乳腺甲状腺外科学

TOPページへ


ページの先頭へ戻る

ページの先頭へ戻る