鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 先進治療科学専攻 外科学講座 消化器外科学
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ゲカイチ

Vol.54

ー 女性が輝ける場所へ ー







 診察を終え、医局への廊下を歩いていると、5歳くらいの可愛い女の子に声をかけられた。





桐野

ねぇ、おじちゃんはおいしゃさん?







桐野

おじちゃんじゃなくて…そう、お兄ちゃんはお医者さんなんだよ。







桐野

ふぅーん。






桐野

どうしたの?






桐野

わたしもしょうらいおいしゃさんになりたいの!






桐野

そうなんだ!






桐野

うん!






桐野

じゃあ、お父さんとお母さんの言うことをよく聞いて、
いっぱい遊んで、いっぱいお勉強しなきゃね。


桐野

それに、食べ物の好き嫌いなんかしちゃダメだよ。






桐野

うん、わかった!








 遠くからお母さんらしき女性が女の子を手招きしている。








桐野

あっ!ママだ!じゃあ、またね。







桐野

またね!









 お母さんと会釈を交わし、医局へ向かおうと振り返った時、
視線の先に優しく微笑む喜例先生が目に映った。








半田

桐野くん、可愛い彼女ね(笑)







桐野

いつから見てたんですか。
いやぁ、あんな小さな女の子がお医者さんになりたいって言うから、
なんかすごく嬉しくなってしまって…






半田

そうね、私もすごく嬉しいわ!
最近は女性の医師が増えてきたから女の子にとっても身近な存在になれてるのかもね。






桐野

そうですね。









 そういえば…

今年の国家試験でも全体の34.5%を女性の合格者が占め、
3人に1人以上が女性医師の時代になっているって、半田先生が言っていた。







半田

ゲカイチにもほぼ毎年のように女性医師が入局してるし。
それに、最近では育児が少しだけ落ち着かれ、
徐々に時短を利用するなどして復職されている女性外科医も多くいらっしゃるのよ。






桐野

あっ! 乳腺外科医の江元先生と野口先生もそうですね!






半田

そうそう!そういえば、医局にお二人がいらっしゃたからお話を聞いてみたら?






桐野

ですね! そうします!









 医局に入ると、お二人と江良井教授が談笑されていた。






桐野

おつかれさまです。






桐野

桐野くん、おつかれさまです。どうしましたか?






桐野

いや、先ほど医師になりたいっていう小さな女の子に会って…。
その女の子とまた会うことができたら何かアドバイスできたらなぁって、
女性医師として活躍されている江元先生と野口先生からお話をお伺いしようと思いまして。







桐野

桐野くんから話を聞かせて欲しいなんて、光栄だわ(笑)






桐野

じゃあ、早速。何が聞きたい?






桐野

えーと…。女性医師の皆さんにとって何が悩みの種ですか?







桐野

そうね…。


桐野

やっぱり、医師としてのスキル習得の時期と、
結婚・出産・育児の時期が重なってしまうことが、
医師として技術習得・鍛練の弊害になってしまいがちになることかしら。






桐野

医師だけじゃなく他の職業もそうかもしれないけど、
まだまだすべての女性が働きやすい環境が整っているか。
って言われると難しいのよ。






桐野

まだ女性医師が少なかった時代は、
女性医師が白衣を着て診療していても、
患者さんから看護師と間違われることがよくあったって聞いたこともあるし。






桐野

そうなんですか…。






桐野

他には何かある?






桐野

そうですね…。
医師という仕事と家庭の両立のポイントってありますか?






桐野

はははは。 現実的な質問ね。






桐野

すみません…。






桐野

うちの場合は、両親や旦那さんがすごく協力的というのが大きいかもね。






桐野

それに、一番は周りのサポートが大きいわね。
保育園や保育所を利用しつつ、なんとか仕事と家庭を両立してるって感じね。






桐野

だから、一日がとっても早い(笑)








桐野

親御さんや旦那さんのサポートはもちろんなんですが、
保育園・保育所を利用しつつ、仕事と家庭を両立されていらっしゃる様子には
本当に頭が下がります。






桐野

江良井教授に褒めていただくなんて、なんか照れてしまいますね。






桐野

彼女たちのような優秀な医師が、離職できたり、復職しても、
充実した環境で外科のスキルアップや勉強ができる環境があることが 非常に大事ですし、


桐野

子供さんの育児や母親として家事を上手にできるための周りのサポートもとても大事です。


桐野

そのためには、彼女らが困っているところを聞ける環境、彼女らが話せる環境、
そういった女性に優しい医局でありたいと常々思っています。






桐野

そう言ってくださるだけで、こころ強いですね。







桐野

ゲカイチとしては、女性医師の皆さんが働きやすい環境を目指して…


桐野

『相談しやすい環境づくり』や
お子さんのイベントや急な病気の際に欠勤や早退などが行えるよう、
『出産・育児に合わせた時短やフレックスタイムなどの勤務体系の構築』、
『女性専用の当直室の設置』などにも力を入れています。


桐野

あとは…
関連病院部長会議で女性外科医師への配慮をお願いするなど…ですね。


桐野

女性医師が輝ける場所になれるよう全面的にバックアップしますので、
これからもよろしくお願いしますね。







桐野桐野

はい!頑張ります!







 『女性医師がさらに輝ける場所へ』…
 江良井教授の言葉が、すごく胸に響く。




 細やかな気遣いや女性同士でしかわからない悩みなど、
女性の患者さんにとって、とてもこころ強い存在である女性医師の皆さんがもっともっと輝くことで、
このゲカイチもさらに輝く場所になる…。








桐野

おいしゃさんのおじちゃん、がんばってねー!







 …おじちゃん…。

貫禄だけは出てきたってことか…。僕も医療界でもっと輝けるよう頑張らなければ…。






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