鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 消化器・乳腺甲状腺外科
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ゲカイチ

Vol.52

ー ライバルの出現 ー




 今日は近くの居酒屋「ミカチャン」で半田先生主催の研修医飲み会が開催される。
明日提出予定の報告書を急ピッチで仕上げ、飲み会が開催される居酒屋へと急いだ。


 …ガラガラガラ…

 集合時間の10分前に到着すると半田先生はまだ来ておらず、入口から一番近いテーブルに顔見知りの研修医たちが集まって話をしていた。




 

桐野

おつかれさま!半田先生はまだみたいだね。





 
桐野桐野

おつかれさま。







桐野

半田先生は会議が長引いているみたいでちょっと遅れるみたいだよ。






桐野

そうなんだ。…で、みんな何の話をしてるの?






桐野

みんなで集まって話すって言ったら、どこの科に進むかの話に決まってるでしょ






桐野

…だよね。







桐野

桐野はもう決めた?







桐野

まぁ、なんとなくは…ね…。







桐野

どこ?







桐野

う〜ん、今のところは消化器外科に行きたいなって思ってるけど。







桐野

そういえば、昔から外科志望だったもんね。







桐野

うん。ところで、みんなは決めたの?







桐野

俺も外科志望だったんだけど、実際にいろいろな科を回ったら
麻酔科や整形外科も面白そうだったんで迷ってるんだよね。







桐野

へぇー、そうなんだ。







桐野

手術の時に全身管理をする麻酔科は、
いわば手術の時の縁の下の力持ち的存在だし…。
整形外科はお腹の中に比べ眼で見て改善が分かりやすいから面白いと思ってね。







桐野

私は呼吸器内科と糖尿病内科で迷ってたんだけど…、


桐野

この前、ゲカイチで結紮縫合や腸管の吻合、
カテーテル留置やドレナージ・イレウス留置などをさせてもらったでしょ。
そこから、なんか外科に目覚めちゃった。







桐野

あれ?
ずっと内科志望だったのに。







桐野

ドクターを目指すんだったら、やっぱり外科医なのかななんてね。







桐野

ドラマの見過ぎなんじゃないの(笑)










 

 と言いつつ、ついこの前まで自分もそうだったことを思い出す。(Vol.50参照)








 

桐野

それに、今度は臨床研究センターに配備されている腹腔内のバーチャルビューで、
実際の手術手技を体験・トレーニングを行えるラップメンターを使って、
実際のデバイスの動かし方や目と手の強調運動、
操作の仕方などを教えてくれるって半田先生と約束したから。







桐野

えっ!本当に!俺もまだやったことないよ。







桐野

あれ?そうなの。

桐野

桐野くん、まだなんだ(微笑)







 

 ゲカイチへの勧誘のためとは言え…。

濱畑さんにちょっと嫉妬を感じた時、居酒屋の入口が開き半田先生と昨年ゲカイチに入局した中田先生が入ってきた。






 

半田

ごめん、ごめん。遅くなってしまって。






入口に一番近い席に座っていた僕たちのテーブル席に腰を下ろした。






 

桐野桐野桐野

おつかれさまです!






桐野

中田先生もご一緒だったんですね!






 
桐野

半田先生から後輩たちにアドバイスしてあげて!
って頼まれちゃって。







桐野

中田先生が消化器外科に決めた決め手って何なんですか?







桐野

私の場合は、病理と迷ってたの。







桐野

病理ですか!







桐野

そう。とれた標本を顕微鏡で見て診断するのが面白くてね。
癌もどの程度広がりを見せているかを実際に見る面白さがあるしね。


桐野

でも、半田先生に外科は臨床の面からそういった場面を
適切に捉える必要があって、
外科の目と病理の目を一緒に兼ね備えることがとても重要だから
両側面を兼ね備えていれば 『鬼に金棒!』どちらもやってみればいいんじゃない!


桐野

…って言われて、
今までもやもやしていた気持ちが
すっと晴れたのが消化器外科を選んだきっかけかな。







桐野

そうなんですか…







桐野

それに消化器外科は、内視鏡的手技の鍛錬や
腹部エコーの実際の手技を身につけられる実践的トレーニングなど、
手術だけじゃなく外科臨床の醍醐味を学ぶこともできるしね。







桐野

そうですね!







半田

そうですよ!皆さんもぜひ消化器外科でいらっしゃい!…


半田

ところで、あれ、桐野くんどうした?






 
桐野

半田先生!

濱畑さんに聞きましたよ!







半田

えっ?何のこと?







桐野

濱畑さんにラップメンターを使って操作の仕方を教えるって
約束されたみたいじゃないですか!?







半田

あー、そのこと。







桐野

『そのこと?』じゃないですよ。
僕にもぜひ教えてください!







半田

もちろん、いいよ!


半田

でも…腹腔鏡胆嚢摘出の手技では、誤った操作で胆嚢を破ってしまうと、
胆嚢内から胆汁もでるし、臓器損傷をおこせばその臓器からも出血したりするから、
きちんと血管処理を行わないと、動脈性の出血がおこったりもするしね。







桐野

そうなんですか!?







半田

そうだよ!それに、
最終段階ではブタを用いてトレーニングすることもできるからね。
これは大掛かりだけど、これまでドライボックスやラップメンターで学んだ
手技の応用編だからね。


半田

ドライボックスでいかに結紮が上手にできても、
このブタを利用したウェットトレーニングでは、今までと勝手が全然違い。







桐野桐野

ゴクッ…







半田

デバイス捜査範囲の制限や他臓器が邪魔することでの
視野確保の難しさはもちろん…
先生方など多くの人がモニターで監視する緊張感や臨場感はたまらないよ。







 
桐野

…なんだか、もうすでに緊張してきました。







半田

それに、バーチャルとは違って、
出血した際はきちんと止めないと出血は止まりませんよ。
それでも、腹腔鏡下胆摘や腹腔鏡下胃切除などが完遂してできる喜びと
やりきった後の開放感はひとしおだよ。







桐野

すごいですね!正直、迷っていたんですが、
消化器外科にとても興味が湧いてきました♥






 
半田

でしょう!実際にゲカイチの先生方の中にも、
消化器内科と消化器外科で迷っていたけど、
腹腔鏡のトレーニングを実際に体験して手術の面白さに目覚めて、
ゲカイチに入局した方もたくさんいるからね。






 
桐野

そうなんですか!





 
半田

よし!じゃあ早速ですが、
いつラップメンターを使った操作の仕方を教えようか?


半田

あれ?
濱畑くん、顔色悪いけど大丈夫?







桐野

すみません…。
最終段階のトレーニングを想像したら、
ちょっと緊張しすぎてしまって…。







半田

え〜…。もう?
二人とも緊張するのが早すぎるよ。







桐野桐野

…すみません…。





 
半田

まぁ、はじめはバーチャルビューでの練習だから
緊張しなくても大丈夫だよ。






 
桐野桐野

はい!







 

 同じ外科医を目指すライバルの出現…。俄然やる気が湧いてきた。






 

半田

あっ、でも最初に濱畑さんと約束したから、濱畑さんが先ね!






 
桐野

えっ!
そんな(泣)。






 


 出鼻を挫かれるとは、こういうことか…。

濱畑さんの誇らしげな顔を横目に、目の前のビールを一気に流し込む。





 

鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 腫瘍学講座  消化器乳腺甲状腺外科学

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