鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 先進治療科学専攻 外科学講座 消化器外科学
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ゲカイチ

Vol.29

ー 外科医への第一歩 ー



 
 

左手には、冷めかけたコーヒー。
右手には、ゲカイチ忘年会恒例のビンゴゲーム抽選器。
忘年会の幹事を気軽に引き受けてしまったことを後悔しても、
もうすでに遅いことはわかっていた。



無駄に大きな抽選器にちょっといらつきながら、
「さて、どちらかを床に置いて医局のドアを開けるのがベストだろう…」
と迷っていたほんの一瞬。
背後から聞き覚えのない女性の声が聞こえてきた。






 

桐野

あっ、ドア、開けますよ?







女性のやさしい声と同時にドアが開く。


開いたドアの向こうには、パッと明るい顔の半田先生。
「もしかして、がんばるボクを見て?!」


なんてちょっと嬉しくなりながらもよく見ると、 半田先生はやさしい声の主の方を見ている。

 




  

桐野 おっ!田和先生、ひさしぶりですね。元気してる?





 

うん。そう。つまり。 ドアを空けてくれたやさしい声の主は、
半田先生からよく名前を聞いていた消化器外科医の田和先生。

そして、半田先生のパッと明るい顔は田和先生に向けられたもの。
ということ。



なんだか恥ずかしい…。









 
桐野

半田先生、ごぶさたしています!
あいかわらずバタバタしてますが、とっても充実しています!
手術が毎日あるのは、すごく勉強になるし何よりも楽しいです!







 
   


田和先生はゲカイチでの研修後、
市内の総合病院へ出張していると半田先生から聞いていた。
それにしても元気そうな人だ…。




 

桐野 …?!





 
桐野

あ…もしかして、桐野くんとは初対面だったけ?






 
桐野 そうですね。半田先生からはよく名前を聞いていたんですけど






 
桐野

…。




 

褒められていたのか。ダメだしされていたのか。どちらなのか気になる。
顔に出てしまったのか、すぐに田和先生が言った。



 
桐野

…優秀な若者がいるってね(笑)









 
桐野

あっ!ご挨拶が遅くなってしまい、申し訳ありません。

 
桐野

はじめまして桐野です。
先程はありがとうございました。

 
桐野

ボクもよく半田先生から田和先生のお話は聞かさせていただいてます。






 
桐野

もしかして、悪口じゃないよね(笑)?







 
桐野

とんでもない!
市内の総合病院に出張されているとても元気で優秀な先生がいる
って聞かされていました。






 
桐野

桐野君、
まるで私が誰彼かまわず褒めているみたいです。







 
桐野

はは…(苦笑)。








 
 


…ちょっと嬉しい…。


 






 

桐野

今、田和先生は市内の総合病院にいるんですよね。
そちらではどのようなことをされてるんですか?








 
桐野

今お世話になっている病院では、
検査から手術はもちろん、
病棟では緩和や疼痛コントロールから在宅医療まで…

 
桐野

外科・内科の先生方やスタッフの皆さんと関わりながら
様々なことを学ばさせていただいています。








 
桐野

在宅医療も!?









 
桐野

そう。手術などの外科的治療だけじゃなく、
診断から治療まで関わらせていただける
患者さんも多いですからね。

 
桐野


なによりも、元気に帰っていく患者さんの姿を見られるのが
医者になって良かったって改めて実感できますよ。







 
桐野

すごいですね!
僕なんか、まだまだ勉強することが多くて…







 
桐野

当たり前です。








 
桐野

私だってそうですよ!ホント学ぶことがたくさん!

 
桐野

研修医の頃は他の病院で外科研修を受けたことがなかったから、
最初はゲカイチとの違いに驚くことばかりでした。

 
桐野


それに大学での3ケ月の研修を終えた直後だったから、
私に出来ることがほとんどなくて申し訳ない気持ちでいっぱいでした。







 
桐野

なるほど…








 
桐野

でも、先生方が基礎の基礎から親切・丁寧に指導してくださるから、
出来ることが少しづつ増えていくっていう喜びがすごくある!

 
桐野


お世話になっている先生方には
感謝してもしたりないくらい救われてる。







 
桐野

オホン!(咳払い)








 
桐野


あっ!もちろん、半田先生もですよ(笑)!





 
少し照れている半田先生が、なんだか可愛らしい。






 
桐野


でも、研修医の時は、
消化器外科か消化器内科のどっちに進もうか、
最後まで悩んだんですよ…。







 
桐野


えっ!そうなんですか?








 
桐野

正直、勧誘の時って、
良いことしか言わないんだろうなぁって
心のどこかで思っていました(笑)。

 
桐野

でも、実際に外科で研修をさせてもらった時、
手術をすることで劇的に良くなることに感動したんです。

 
桐野


内科的手技もとても興味があったんですが、
やっぱり外科的手技による治療の方がとてもドラマチックで、
心からスゴい!って思ったんですよね。









 
桐野

へぇー…それは初耳だ。








 
桐野


それに、子どものようにキラキラと目を輝かせながら
外科の魅力を話してくださる先生方の姿を見て、
外科医になりたいって思いました!





 
こころなしか、半田先生の目が潤んでいるような。






 
桐野


たしかに、外科という分野は体力的に女性には大変かもしれないし、
いつまで続けられるかなど不安に感じるところはありました…。

 
桐野

でも、最終的に自分がどうなりたいかを考えた時、
不思議と不安よりも楽しみがわいてきたの!

 
桐野

今は、自分の目指す道に向かって
突き進んでる自分を感じることができるから、
すごく充実してるし、とても心地いいですね!








 
半田先生、ハンカチを目にあててる…。





 

 

桐野

それに、ゲカイチでは
『外国で開催される学会』などにも参加させていただけるし!
入局してすぐ参加させてもらった学会では、
英語でディスカッションする先生方がカッコ良くて感動したなぁ…

 
桐野

…ということで、将来どんな医者を目指すかはもちろん自由だけど、
桐野くんたちがゲカイチに入局して良かったって
思ってもらえるよう私ももっともっとガンバらなくっちゃ!
って思ってます。



 
桐野

…まぁとりあえずは、指導してくださる先生が
ハラハラしない執刀医になることが目標かなぁ(笑)。








 
桐野

はははは…(笑)。







 
桐野

研修医の時はいろいろ大変な部分もあるけど、
桐野くんも頑張ってね!






 
桐野

はい!ありがとうございます!
早く執刀を任せられるよう頑張ります。






 
桐野

まぁ…桐野くん、執刀もいいですけど、
まずは、忘年会のお店を早く決めた方がいいかもね。







 

机の上に置いてある忘年会特集の雑誌を半田先生がいたずらっ子ぽく指さした。





 

 

桐野

あっ!そうだ、そうでした!
田和先生ありがとうございます。

 
桐野

ぜひ、またお話を聞かせてもらえると嬉しいです!









 
人は、恵まれた環境があっても慣れてしまうと、 初心や感謝する気持ちを忘れてしまう。



そうだ。…うん、まずはいつも優しくフォローしてくださる半田先生に
感謝の気持ちを込めておいしいコーヒーを淹れよう。







 
桐野

桐野くん、僕はお鍋がいいと思うけどな。





 

感謝の気持ちが伝わるお店…。
さて、どこにするべきか…。






 

 

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